地元産SPF豚生かす トロトロの絶品角煮入り ハウスラーメンたけ坊(東庄町)【房総ラーメン図鑑】(7)

東庄町のJR下総橘駅から銚子市方面に歩くこと約15分。同町東今泉の国道356号線から横道に入ると、シートを張ったビニールハウスで営業する一風変わった店舗「ハウスラーメンたけ坊」が現れる。ラーメンやギョーザに使う豚肉は、養豚が盛んな同町産のブランド豚「SPF豚」を活用していて、全国各地から客が訪れる名店だ。
SPF豚は、特定の病原体を持たない豚。筋肉のきめが細かく、保水性が高いため、柔らかい肉質や脂の甘さが特徴のご当地特産品。
店は1999年3月にオープンした。「当時は21歳でお金がなかった。費用が安く済むビニールハウスの資材を購入し、自分たちで組み立てた。『たけ坊』は先輩から呼ばれていた自分のあだ名から」と説明してくれたのは栃木県出身の店主、高木剛志さん(46)。
自家製スープは、SPF豚のゲンコツと鶏ガラを合わせ、ニンニクやショウガ、干しシイタケ、ネギといった野菜や北海道産昆布を組み合わせている。麺は銚子市の老舗「登代発食品」の中太の縮れ麺を使用するなど、できる限り地元の食材を取り入れている。
看板メニューは「とんこつ角煮ラーメン」(税込み1200円)。SPF豚の角煮は、提供するまでに3回煮込み、トロトロとした食感が絶品。とんこつラーメン専用のたれをスープで割ることでクリーミーな味わいに仕上げた白湯(ぱいたん)にマッチする。
SPF豚やニラを使った焼きギョーザ(同350円)も人気。店は家族3人で切り盛りし、弟の浩司さん(40)が調理をサポート、母の幸子さん(68)が接客を担当している。剛志さんの趣味は釣りで、客層は「半分は北海道から沖縄までいる釣り仲間」。「地元の人や企業で働く外国人客も増えた」と、じわじわファンを広げている。
子どもの頃からラーメン店で働く父の背中を見て育ったという剛志さん。「自分でも徹底的に食べて食べて、納得いくまでおいしさを突き詰めた。東庄の顔のSPF豚を使ったラーメンを味わって」と笑顔で出迎える。
◇住所=東庄町東今泉669
◇営業時間=午後5時半~午前0時(スープがなくなり次第終了)。木曜定休
◇問い合わせ=(電話)090(3400)6107