脱炭素社会へ普及図る『雪国型ZEH』 エネルギー消費量“実質ゼロ”の住宅【新潟】

花角知事が大きな柱の一つに据える『脱炭素』。県は、家庭での温室効果ガスの排出量削減に向け、県独自の基準を満たした住宅「雪国型ZEH」の普及に力を入れます。どんな住宅なのか取材しました。

新潟市に建つ一軒の住宅。施工したハウスメーカーに案内してもらうと…

【杉本一機キャスター】
「暖かい。寒さを感じないですね。暖房は?」

【千癒の家わいけい住宅 中山修 社長】
「今、消しています。無暖房でも、おおむね13℃を下回らない。雪国型ZEH仕様で作っている」

ZEHとは〈ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス〉の略。

壁や窓などの“断熱性能”や空調などの設備の“省エネ性能”を高めることに加え、太陽光発電などで再生可能エネルギーを創り出す“創エネ”により、エネルギーの消費量を実質ゼロにする住宅を指します。

このZEHに対し、新潟の気候に合わせ、さらに高い断熱性や気密性を基準に県が独自に定めたのが「雪国型ZEH」です。

脱炭素を掲げる県は新年度、その導入費用の補助や普及啓発を図る事業などに2月補正予算を含め、約4億3500万円を盛り込みました。

【千癒の家わいけい住宅 中山修 社長】
あれが太陽光発電

Q.発電したものがこちら
【千癒の家わいけい住宅 中山修 社長】
「これだけ発電していて、これだけ使っているというのが分かる」

環境に優しい雪国型ZEHですが、一方で気になるのは、その建築費。

【千癒の家わいけい住宅 中山修 社長】
「最初の建築費、イニシャルコストが高くても、ランニングコストを見たときには財布に優しい」

県の試算では、雪国型ZEHで基本としている断熱性能を満たすための工事にかかる費用は、一般的な省エネ基準の住宅と比べ、46万円増加する一方、年間の冷暖房費は8万円削減されたため、6年ほどで回収できる計算です。

【千癒の家わいけい住宅 中山修 社長】
「弊社も反響・問い合わせが増えている。それだけ敏感なお客様が増えてきたと肌で感じている」

脱炭素の流れは、雪国の住宅の在り方にも変化を与えそうです。