三井不動産は1月4日に、東京都中央区日本橋にて推進中の「(仮称)日本橋本町一丁目3番計画」が着工したことを発表した。
同計画は、国内最大・最高層(地上18階建・高さ84m・延床面積約28,000㎡)の木造賃貸オフィスビル。国内初適用となる木造・耐火技術を多数導入し、三井不動産グループ保有林を含む1,100m3超の国産木材を構造材に使用する。一般的な鉄骨造オフィスビルと比較し、躯体部分において、建築時CO2排出量約30%の削減効果を想定している。
コンセプトは「日本橋に森をつくる」。三井不動産グループが北海道に保有する森林約5,000haの木材の一部を構造材および内装・仕上げ材に使用し、「植える→育てる→使う」のサイクルによる”終わらない森”創りに貢献して、木造オフィスビルならではの新たな価値創造に挑戦する。
木ならではのやすらぎとぬくもりを五感で感じられる空間を創出し、生産性の向上など、木造オフィスビルだからこそ実現できる「行きたくなるオフィス」を目指す。緑豊かな歩行空間の整備や生物多様性の保全に貢献する環境づくりを通じて、オフィスワーカーや来館者、周辺住民が都心のなかでも憩える新たな緑の拠点を創出する。
あわせて、ZEB Ready認証、いきもの共生事業所認証(ABINC認証)などの取得を目指す。次世代の環境配慮型オフィスビルとして、フィルム型ペロブスカイト太陽電池の導入や建築廃材のアップサイクル等の先進的な取り組みも行う。
屋上には、有機質肥料を用いた最先端の水耕栽培システムおよび空調設備の省エネ効果が期待される室外機芋緑化システムを導入予定。施設内には、アサヒ飲料の「CO2を食べる自動販売機」も設置する。竹中工務店の「建築廃材のアップサイクル」の取り組みのモデルプロジェクトでもあり、既存建物の解体工事で発生する廃材や新築工事で発生する端材を建物の一部や什器などにアップサイクルする。
同計画の設計施工は竹中工務店が実施し、竣工は2026年を予定している。