能登半島地震で津波被害にあった石川県能登町。祭りで使われていた太鼓が、新潟県柏崎市の海岸に漂着しているのが見つかりました。太鼓を見つけた人は「復興のシンボルに」と修復を検討しています。
【齋藤正昂アナウンサー】
「地震の発生から3週間近く、石川県から離れたこちら柏崎市の鯨波海岸に被災地のものとみられる太鼓が漂着したということです」
地震の発生後、大きな木材や畳などが漂着している柏崎市鯨波海岸。
【栃堀耕一さん】
「あの辺で見慣れない大きい物体があるので、何かなと思いながら歩いて近づいた」
近くで旅館を営む栃堀耕一さんが1月20日に見つけた太鼓。破れた面に大量の砂が入り込んだ太鼓には、ある地名が書かれていました。
【栃堀耕一さん】
「マジックで地名が書いてあったのがすぐ分かった」
書かれていたのは「白丸」の文字。
【栃堀耕一さん】
「その場ですぐに地名を検索して、やはり『能登の方から流れてきているのは間違いない』と分かった」
栃堀さんがSNSに太鼓の写真を投稿すると、すぐに白丸の住民から連絡がありました。
【栃堀耕一さん】
「ここ(白丸地区)に住まわれている方で、いつか取りに伺いたいという話だったので」
地震と津波で甚大な被害が出た能登町白丸地区。
【地元の人】
「(より近くで)この辺に太鼓があったんですけど」
太鼓が置かれていたのは、建物自体が大きく流された集会所。
【岩前純悦さん】
「(地震後)保管できるものは保管したが、太鼓はなかった」
太鼓は約100年の歴史があるという、白丸曳山祭りで使われていたものでした。
【岩前純悦さん】
Q.最初に聞いたときはうれしかった?
「そうですね、やっぱり。よく新潟へこちらの船が着いたという話は聞いていたが、まさか(太鼓が)」
太鼓が発見された柏崎市鯨波海岸にも津波は押し寄せました。
【栃堀耕一さん】
「40cmと報道されているが、多分1mちょっとはあった」
栃堀さんが経営する旅館も2007年の中越沖地震で宿泊キャンセルなどの大きな影響を受けました。
【栃堀耕一さん】
「能登の佐渡沖も含めて、一帯に断層があってリスクが高い。本当にまったく他人事ではない」
栃堀さんは、石川県の職人と連絡を取り合うなど、その修復方法を検討しています。
【栃堀耕一さん】
「お祭りはみんなが楽しくやるものなので、そういったときにまた、その復興のシンボルになってくれたらうれしい」