〈港区女子VS高級すし店バトル〉六本木のクラブ嬢は「カメラを構えただけで“早く撮って食べて”はありえない!」高級すし店大将は「こちらはお客さまを選ぶ立場でもあるんだ」

1月20日未明、港区南麻布の高級すし店「鮨よし田」に客として訪れた女性Aさんが、「大将に殴られかけた」と前置きし、店で起きた状況をXに投稿した。この投稿はSNS上でかなりの反響を呼び、双方に向けてさまざまな意見が飛び交っている。この騒動をすし店や港区女子たちはどう見ているのだろうか。
1月20日に投稿されたAさんのXによると、Aさんは港区の高級すし店「鮨よし田」を同伴者と初めて利用した。その際、店の大将が他のお客から差し入れられた白ワインをAさんの目の前に置いたため「二日酔いで目の前に白ワインがあると気持ち悪くなってしまうので反対側に置いていただけますか?」と伝えた。しかし、大将は不機嫌そうに「お客さまからいただいたものなんですけど」と答えたことから、空気が悪くなったという。Aさんたちは居心地の悪さから早々に会計を済ませ退店するのだが、その際「こんなお鮨屋さん初めて」と口にしたことから「大将に殴られそうになった」というのがAさんの主張だ。Aさんの投稿には、大将と思わしき男性が怒りをあらわに身を乗り出そうとし、他の従業員が必死に止めている画像が添付されている。
騒動があった高級すし店(撮影/集英社オンライン)
Aさんは過去の投稿と行動範囲からいわゆる「港区女子」と推察され、SNS上では「港区女子」と「高級すし店」の「どちらが悪い?」論争がまきおこっている。取材班は渦中の高級すし店の大将を訪ねたが「すみませんが、今は何もお答えすることができません」と話すのみだった。この騒動を見て、日頃から港区女子やセレブたちを相手にする同様の高級すし店の大将はどう感じたのか。同じ港区エリアのすし店で大将を務める男性はこう語る。「真偽は不明ですが、店主は港区女子と同伴相手の振る舞いのどこかに腹を立てたんでしょうね。悪い噂を聞くような店じゃないですから。私の店にもそういったお客さまは来ますが、たしかに、みんな態度がいいかといえばそんなことはないです。声が大きかったり、周りのお客さんも写り込んでる角度で写真をパシャパシャと撮っていたために注意したことは何度もあります。その中のあるお客さんはラウンジで働いている方でした。前日にお店で飲みすぎて吐いてしまったという話を平気でしていて、他のお客さまも明らかに険しい表情をしていたので、“子どもじゃないんだから飲食店でそんな話をしたらダメってわからないのか”と驚きましたね。でも今回、店主が明らかに揉めてるような写真を撮られて晒されてしまったのは災難でしたね。自分もそれなりのお代がかかる店として、お客さまを選ばないといけない立場だから、これからも注意はしますけど冷静に対応しないといけないなって思いました」
港区女子が撮影したトロ(港区女子提供)
また別の高級すし店の大将は、この手の騒動は「飲食店においては永遠のテーマ」と話す。「すし屋に限った話じゃなく、飲食店はさまざまなお客さまをお迎えするわけです。食事を純粋に楽しみたい人もいれば、いい料理を食べたことを記録に残したい人もいますからね。ただ、他のお客さまに迷惑をかけるのはよくないので、節度を持っていただくことも大切です。お店側も、このお客さまには居てほしくないと判断したら、早々に帰ってもらったほうがよかったと思います。実際に自分はそう対処したこともあります。大将も感情的にならずに注意して帰ってもらえば、怒っているような写真を撮られずに済んだでしょうから」
いっぽうの港区女子たちは騒動をどう見ているのか。六本木でクラブに勤める港区女子は“高級すし店の大将”の気難しさに常日頃から不服を感じているという。「SNSで晒すのはいいことじゃないから庇いはしないけど、少し同情はしますね。高級すし店の大将ってこだわりが強いというか、相手が客でも細かいことを注意してくるんですよ。私もおすしの写真を撮るときに、カメラを構えた時点で『早く撮って食べて』と言われたり、食べ方が悪かったのか『この料理はこの食べ方で食べるんですよ』とかいちいち言われたことがあります。あまりにも細かい指摘が多いといくら美味しくても気分悪いし、まるで監視されてるような気分にもなります。高級なおすし屋さんって水商売の客も多いので、もうちょっと優しくしてくれてもいいのになって思っちゃいますね」
港区女子が撮影したエビ(港区女子提供)
また高級ラウンジで働く別の港区女子は、この騒動後に訪れた高級すし店で、こんなことがあったという。「よく同伴でおすし屋さんに行くんですけど、この件があったせいで他のお客さんからジロジロと見られる感じはしましたね。別に写真を撮る気もないのに、スマホを一瞬触るだけですごく気にされました。この騒動が風化するまでいろんなお店で港区女子が問題を起こさないか気にされるんだろうなと思うと、美味しく食べられなそうでうんざりしますね」港区で育ち、今も住む50代女性は言う。「こんなことがあったんですね。別に港区だから、とか、高級店だからということじゃなくて、食事にも接客にもマナーと常識があるということです。カウンターでおすしをいただくというのは、それなりのイベントでしょう? 握りたてをすぐにいただく、お醤油をべっとりつけない、といったお作法は親や先輩から教わったもんです。狭いカウンター越しの距離で食べ物、それもナマモノをやりとりするんだから、たとえば香水をつけすぎないとか、唾が飛ぶような大きな声で話さないとか、想像すればやっちゃいけないことはわかるでしょう。嘔吐の話なんて言語道断、そんなのファミレスの隣の席からだって聞きたくないです。これはカウンターにの向こう側の人にもいえることで、だからおすし屋の大将は坊主頭が多いってこと。去年、六本木に新しくできたおすし屋さんにいったら、大将がロン毛にターバンで、まあ、なんだかな、とは思いましたね。坊主にしないまでも後ろでひとつにキリッと束ねてほしいです。鮨よし田さんはオープンしたてのころに一度おじゃましました。普通に感じのいいお店でしたけどね。そもそもこのかた、二日酔いでおすしはやめとけばよかったんじゃない? 同伴で断れなかったのなら、胃薬でも栄養ドリンクでも飲んで、そんなことは見せずにがんばらなくちゃ。ここからお仕事なんですから」1月23日に配信された「NEWSポストセブン」によると、「鮨よし田」の大将は取材に対して、「弁護士に相談している」という。大将と港区女子が和解し、手を“握る”ことはあるのだろうか。取材・文 集英社オンライン編集部ニュース班
高級すしを頬張る港区女子の自撮り写真(港区女子提供)