「トキエア」ついにデビュー! 目標の「佐渡空港」就航できるのか? “全社撤退”の経緯&“復活プラン”の今

独立系航空会社としては約15年ぶりに定期便デビューを果たした新航空「トキエア」が、将来の就航地の目玉としているのが、現在定期便のない新潟・佐渡空港です。ここはどのようなところなのでしょうか、
2024年1月31日、新潟空港を拠点とする新航空会社「トキエア」が就航しました。国内で独立系航空会社(JAL・ANA系列ではない)が誕生するのは、約15年ぶり。そして同社が将来の目玉路線として掲げているのが、現在海路しかない「新潟~佐渡線」です。
「トキエア」ついにデビュー! 目標の「佐渡空港」就航できるの…の画像はこちら >>佐渡空港(乗りものニュース編集部撮影)。
新潟県の佐渡島は、東京23区の2倍の面積を持つ日本海側最大の離島で、人口は約5万1000人(同市ホームページより)。その空の玄関口が佐渡空港ですが、2024年現在、定期旅客便は運航されていません。
本州~佐渡島は長年、海路での往来がメインです。新潟港~両津港のカーフェリー(2時間30分)、ジェットフォイル(1時間7分)と、直江津~小木港のジェットフォイル(1時間15分)がそれぞれ運航されています。そうしたなかトキエアは、佐渡線への就航を予定しており、順調にいけば海路一択といえた本州のアクセスに、空路が追加される予定です。
佐渡空港は1958年11月に佐渡飛行場として開設。1971年には県空港として供用が開始されました。両津港より約4kmの場所にあり、滑走路の長さは890m、その東端は湖(加茂湖)に面しています。かつては日本国内航空や新中央航空、新日本航空などが定期便を就航させていましたが、2014年より運休状態が続いています。
2022年時点で佐渡空港の空港ビルは、1階建ての小ぢんまりとしたものでした。
館内にはカウンター、ソファのある待合室、化粧室などの設備があります。一方で、通常の空港のような大型機械のある保安検査場や、売店といった設備はなく、いうなれば公園の管理棟のようなイメージです。
佐渡空港に就航した定期便が相次いで運休となってしまったのは、滑走路の短さも理由とされています。890mだと就航できる旅客機は20席級のプロペラ機程度で、ジェット機の運航はまずできません。滑走路が長ければ発着できる旅客機の種類も増え、ひいては首都圏空港への発着も可能になるということで、一部では2000mへの拡張整備を推進する動きも見られます。
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新潟空港を離陸するトキエアの就航初便(画像:トキエア)。
その一方で現在、トキエアの就航に向けるかのように、佐渡空港では設備の改修も進められています。2024年1月から3月にかけて、同空港のターミナルビルは増築などの工事を実施するため一時的に閉鎖されています。また、トキエア機の重量に耐えられるよう、誘導路の改修なども実施されていると現地メディアなどが報じています。
また、トキエア側は72席をもつターボプロップ旅客機「ATR72-600」を2機体制で運航していますが、将来的にはこの胴体短縮タイプで、かつ短距離離着陸性能に優れた最新派生型「ATR42-600S」を導入すると見られます。
この機は2025年に就航予定で、すでに初飛行は2022年に実施済み。最短800mの滑走路でも離着陸できることを強みとしており、この機が導入されれば、現状の佐渡空港の滑走路でも発着が可能です。