「1カ月遅れの新年」地震で被災したカフェ… 傾いた床を直し営業再開!さっそく常連客も【新潟市】

能登半島地震で被災した新潟市西区のカフェが2月5日、営業を再開しました。さっそく常連客などが訪れ、約1カ月ぶりに店ににぎわいが戻りました。

新潟市西区にあるモリスバカフェ。

忙しく動き回っていたのは、店主の後藤裕寿さん。1月の能登半島地震で被災し、約1カ月ぶりに店の営業を再開しました。

【モリスバカフェ 後藤裕寿 店長】
「やっと現実的になってきたなと。よし、これからかなと。うれしい」

地震により新潟市西区では液状化が発生し、モリスバカフェも建物が傾く被害に遭いました。

【モリスバカフェ 後藤裕寿 店長】
「ビー玉を転がしたらコロコロと…、あ~これは完全にゆがんでいるぞと」

新年会などでにぎわうはずの年始は、すべて予約をキャンセル。営業再開に向けて、傾いた床を水平に直す工事に取りかかりました。

そして工事の開始から約3週間…

【記者リポート】
「廊下から部屋に入るところ、スロープ状になっていますが、これは地震の前にはなかったものです。傾いた床の上から新しく水平な床を張ったため、これだけの高低差が出てしまったということです」

傾きに合わせて新たに床を張ったところ、もとの位置とは最大で20cm近くの高低差が出ました。

【モリスバカフェ 後藤裕寿 店長】
「基礎を調整して床を張り直すという工事もあるが、それだとお金も期間もかかるので、大工さんと話し合って、上に水平をとった床を(張った)」

一方…

【モリスバカフェ 後藤裕寿 店長】
「建物自体がたぶん斜めになっている。全体的に」

床だけを水平にしたため、窓枠などは斜めのままです。それでもようやくたどり着いた営業再開。

【モリスバカフェ 後藤裕寿 店長】
「ここから新年が始まるみたいな感じ。1カ月遅れの」

すると…

【常連客】
「こんにちは~」
「再開おめでとうございます」

やってきたのは、再開を待ち望んでいた常連客です。

【常連客】
「毎週通っていたし、ここのカレーが大好きで。ほぼ毎週食べに来ているので、再開して本当によかったなと思う」

【モリスバカフェ 後藤裕寿 店長】
「お待たせしました」

【常連客】
「いや~、1カ月ぶりの相掛けカレー!うん、うまいね」

【モリスバカフェ 後藤裕寿 店長】
「うまい?ありがとうございます」

1カ月ぶりに戻った店のにぎわい。「子ども食堂」なども運営する後藤さんは、今回の地震を乗り越え、地域の絆をさらに深めたいと話します。

【モリスバカフェ 後藤裕寿 店長】
「この体験を絶対無駄にしないで、子どもたちと一緒に考えていけたら、ますます街づくりが活性化する。輪をつくっていけたらいいなと思う」

被災地は一歩ずつ前へと進んでいます。