1月1日に発生した能登半島地震では、倒れた家具の下敷きになって多くの人が犠牲になったとみられています。命に直結する家具の固定、どのような点に注意すればよいのか、家具固定のスペシャリストに聞きました。
家具固定を怠れば命を奪う「凶器」に 大地震が起きると…冷蔵庫…の画像はこちら >>
能登半島地震の被災地で、壊れた家屋に取り残された人たちを救助する活動を行った名古屋消防の隊員。あるものが、救助の妨げになったと話します。(名古屋市 緑消防署・肥後大志消防司令補)「家財を除去するだけで時間がすごくかかってしまった。家具が固定されていたら助かる確率も高くなる」
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家具が倒れて下敷きになったり、逃げ遅れたりするケースが相次いだ一方で…(名古屋市 緑消防署・肥後大志消防司令補)「ある被災者の住宅なんですが、食器棚が固定されていた。家具が倒れなかったことで、通路がふさがれずすぐに避難できた」
また、家の倒壊は免れても家具の散乱などによって、生活再建が見通せない被災者が多い中…(名古屋市 緑消防署・肥後大志消防司令補)「ほかの家具も固定されていて、この方は被災されてから3日ぐらいで自分の家で生活する準備を開始することができた」
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防災の基本とも言われる「家具の固定」。名古屋市はこれまで高齢世帯を中心にボランティアを派遣して無償で家具の転倒を防ぐ取り組みを行っていますが、今回の震災以降、市民からの依頼が増えているといいます。(依頼した人)「能登半島地震で『なんとかしないといけない』と、チラシをもらって電話した」
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これまで900軒以上の住宅で家具の固定を行ってきた、ボランティアの福島謙二さん。玄関までの動線を確保することが大切だと話します。(家具転倒防止ボランティア・福島謙二さん)「奥さんがキッチンで食事の支度をしている時に地震が起きたら、怖くてこういう(動けない)状態に。冷蔵庫が倒れると動線が隠れてしまう。こういった家だと冷蔵庫は固定した方がいい」
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避難経路を確保するためだけでなく、中の食品を守るためにも冷蔵庫は金具とベルトでしっかり固定します。さらに。(家具転倒防止ボランティア・福島謙二さん)「前に傾いているのが普通の家具。地震が起こるとガタガタして(倒れる)」
動きやすい食器棚は下に滑り止めのシートを差し込み、壁にぴったりくっつけることで倒れにくくなります。また、棚の中は上の方に軽いもの下の方に重いものを入れて重心を下げることも効果的だといいます。
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(家具転倒防止ボランティア・福島謙二さん)「電子レンジは大きな地震の時は、倒れるだけじゃなく飛んでくる」レンジや炊飯器は、市販の滑り止めを取り付けるだけでも落下するリスクを大幅に減らすことができるといいます。そして、寝室のタンスには特に注意が必要です。
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(家具転倒防止ボランティア・福島謙二さん)「家具(タンス)が倒れると、どこに寝ていてもやばい。この家具は本来はローボード(低い棚)の方がいいし、ない方がいい。場所がないなら、この家具は完璧に動かないようにした方がいい」
こうした大型の家具は、固定を怠れば命を奪う「凶器」となることが今回の震災で改めて証明されました。福島さんは、被災地で起きたことは決して「ひと事」ではないと訴えます。
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(家具転倒防止ボランティア・福島謙二さん)「自分だったらこんな地震が起きたらどうするか“自分ごと”にしてもらって、自分が家でできること、何ができるのかを考えてほしい」