基地問題「沖縄の人たちの声から現実が見えてくる」 ドキュメンタリー映画「沖縄狂想曲」 太田監督に思いを聞く

名護市辺野古の新基地建設や米軍絡みの事件事故など沖縄の現実について県内の有識者や関係者への取材でまとめたドキュメンタリー映画「沖縄狂想曲」が、17日(土)から那覇市の桜坂劇場で上映される。「沖縄の人たちの声から現実が見えてくる」と話す太田隆文監督に、映画への思いを聞いた。(聞き手=社会部・當銘悠)
-沖縄をテーマとした作品は「ドキュメンタリー沖縄戦」「乙女たちの沖縄戦」に続いて3作品目となる。今回の作品に取り組んだきっかけは。
「沖縄戦を描いた作品が完成した後、米軍基地がある沖縄の現在について考えた。基地に関連するさまざまな問題があり、その事情や裏側を知りたいと思った」
-映画で伝えたいことは。
「基地絡みの事件事故、騒音被害などで沖縄の人たちが大変な思いをしてきたことを全国に伝えたい。それに加え、沖縄は貿易や文化などの分野でアジアの中心的役割を果たせる可能性があるということも知ってほしい。沖縄を知ることで日本に大切なものを見つけることができると思う」
-取材で感じたことは。
「『沖縄は基地があるから潤っている』などのさまざまな言説や印象が飛び交っているが、それらが事実ではないことが分かった。1年間に5~6回来沖し、多くの方に協力してもらって総勢50人ほどにインタビューした。僕の映画というより沖縄の方の声を伝えるのが自分の仕事になったと思う」
-全国20館以上で上映が決まっている。
「映画上映後は『事実を知らなかった』という声が寄せられた。沖縄に関心を持っている人がたくさんいることを実感している。多くの人に見てもらい、沖縄を知ってほしい」

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