移民の三線、100年ぶり故郷に戻る 与那原の男性がペルーに携行 県系3世、修繕し町へ寄贈 沖縄

ペルー出身の県系3世、ファロ山口セサルさん(34)が6日、自身が修繕した三線を沖縄県与那原町に寄贈した。三線はセサルさんの友人の喜屋武順美さんの曽祖父・金城加盟さんが約100年前の1919年、与那原からペルーに移民した際に携えた物。順美さんから修理と町への寄贈を頼まれていたというセサルさんは「とても満足している。三線が生まれ故郷に戻り、とてもうれしい」と喜んだ。(社会部・當銘悠)
三線は壊れてしまい弾けない状態だったが、三線作りを学ぼうと昨年9月から留学生として来沖しているセサルさんが修理。棹(さお)を修復し、胴や胴巻きなどを新しい物に取り換えた。
照屋勉町長への贈呈式では、セサルさんが音色を取り戻した三線で南米の楽曲「コンドルは飛んでいく」を披露。照屋町長は「三線がみんなの輪をつなげてくれたことにとても感動した。われわれもこれを大切にし、思いを伝えていきたい」と感謝した。
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セサルさんを指導する県三線製作事業協同組合の岸本尚登副会長は「ウチナーンチュにとって三線は心。たくさん直してほしい」と期待を込めた。