沖縄の実質賃金指数、過去19年で最低に 2020年比で90.1 物価上昇に賃上げが追いつかず

沖縄県は2月29日、2023年の県内の5人以上事業所における実質賃金指数(2020年=100)はデータのある05年以降、過去最低だった14年の94・1を下回る90・1だったと発表した。実質賃金は前年比5・5%減少し、1年間の下げ幅も過去最大となった。円安や原材料費高騰による物価上昇が続く中、賃金上昇が追いついていない状況にある。
実質賃金が低下した最大の要因は物価上昇だ。23年の県内の消費者物価指数(20年=100)は106・6で、前年比3・7%上昇した。全国の105・6よりも1ポイント高く、他県と比べて物流コストが必要な島しょ県であり、物価上昇の影響を受けやすい沖縄の地理的構造が上昇の一因となっている。
物価上昇に加え、賃金上昇の動きが鈍いことも実質賃金低下の要因だ。30人以上の事業所の名目賃金指数は95・0で、前年比0・2%の増加にとどまる。また5人以上の事業所における名目賃金は前年比1・4%の減少となっており、特に零細・小規模事業所で賃金の上昇ができていない傾向がある。
5人以上の事業所におけるパートタイムとフルタイム一般労働者の賃金指数(20年=100)は、パートタイムが111・6で前年比0・5%増となった一方、フルタイムは96・6で同1・0%減少。特にフルタイム労働者の賃金上昇が進んでいない。
その他、パートタイム労働者比率は31・9%と前年比0・6ポイント増加。人手不足で比較的賃金の低いパートタイム労働者が増加したことも、1人あたり平均の実質賃金の低下につながったとみられる。沖縄の実質賃金指数、過去19年で最低に 2020年比で90….の画像はこちら >>