犬の散歩中、強盗の現場を目撃 容疑者(90)を押さえつけ男性救助 柏、小学教諭に公安委賞揚 児童から「ヒーロー」と祝福

柏市で昨年12月に発生した強盗致傷事件で被害者を殴打していた容疑者を取り押さえ逮捕に貢献したとして、千葉県公安委員会は、同市在住で鎌ケ谷市立鎌ケ谷小学校教諭、宮城亮杜さん(28)に公安委員会賞揚を授与した。県警表彰で最高位となる賞揚授与は今年度2件目。柏署で行われた授与式で宮城さんは「被害者がけがをしている様子を見て、助けなければと無我夢中だった」と振り返った。
同月9日朝、妻と犬の散歩中だった宮城さん。無人野菜直売所から野菜を窃取した男(90)が追いかけてきた農家の男性(69)ともみ合っている現場を目撃。顔を殴られ口から血を流し、上着のボタンも全開となっていた被害者の男性を見て、救助に向かった。
宮城さんによると、容疑者の男は力が強く、足を蹴ったりたたかれたりされ殴られそうにもなったが、何とか地面に押さえつけ、駆け付けた同署員に引き渡したという。男は強盗致傷容疑で現行犯逮捕された。
委員長名の賞揚状を授与した寺嶋哲生・公安委員は「危険を顧みず自らの意思で活躍されたことは県民の模範」とたたえた。宮城さんは、同署の泉澤一署長から感謝状も受けている。
宮城さんは「小学校でも2学期末に校長から表彰され、児童からも『ヒーロー』と祝福された」と笑顔を見せる一方、「教師として一市民として、子どもたちの模範になる大人でありたい」と表情を引き締めた。