ペーパーレス化が進み業績悪化…老舗業者“石井商店”自己破産申請 負債額約2億9000万円【新潟市】

新潟市秋葉区の石井商店が事業を停止し、自己破産申請の準備に入ったことが分かりました。

民間の信用調査会社・帝国データバンク新潟支店によりますと、石井商店は1913年に創業した和洋紙卸売業者です。

老舗業者として相応の知名度や営業基盤を有し、売上規模は県内業界中堅に位置していました。

主力の洋紙卸売は、帳票や印刷用紙を中心として幅広く対応。取扱品目は500種類以上と多岐にわたり、新潟県内の印刷業者を得意先として2009年4月期には年売上高約13億1500万円を計上していました。

しかし、その後はペーパーレス化の進行や印刷業界の低迷により売上高の減少傾向が続いていました。

さらに、近年では2020年春以降、新型コロナウイルス感染拡大が鮮明になり、イベント中止や休校などを背景に広告関連や学校関連の紙需要が大きく低迷。

リモートワークの増加で事業所向けの需要も低迷する中、2021年4月期の年売上高は約4億2100万円にまで低下。対応としてゼロゼロ融資などの利用で急場を凌いでいました。

その後、コロナ禍から社会経済活動が回復基調となり、2023年4月期の年売上高は約4億4000万円とやや改善したものの、紙類の仕入価格上昇分の価格転嫁が十分には進まず、多額の金融債務を抱えて厳しい資金繰りが続く中、事業継続を断念しました。

負債は2023年4月期末時点で約2億9000万円に上っていました。