児童が学ぶ“原子力災害” 福島からの避難者が実体験語る「気にかけることは防災の一歩」【新潟】

新潟県阿賀野市の小学校では3月11日、原子力をテーマにした授業が行われ、福島第一原発事故により福島県から避難した人から子どもたちが実体験を聞きました。

【松村道子キャスター】
「阿賀野市の神山小学校。これから原子力災害について学ぶのは、全員が東日本大震災の後に生まれた子どもたちです」

全校児童約70人を前に、講師として話をしたのは阿賀野市の職員です。

福島第一原発事故について、全校児童に分かるよう簡単な言葉で説明しました。

【阿賀野市危機管理課 宮島剛志 主事】
「この建物(福島第一)は電気をつくるすごい建物だが、地震や津波に耐えることができなくて、放射線(放射性物質)がたくさん外に飛び散ってしまった」

続いて話をしたのは、東日本大震災の翌年に福島県郡山市から阿賀野市に避難し、現在は避難者の生活支援を行っている谷内和美さんです。

【福島・郡山市から避難 谷内和美さん】
「東京電力・福島第一原発事故による放射能の影響で水道の水が飲めなかったり、あまり外に出られなかったり。家族や自分自身を守るために阿賀野市に避難しました」

谷内さんは目に見えない放射性物質に怯え、大人も子どももストレスが募ったこと、阿賀野市で受け入れてもらい、子どもたちは元気に成長したことを語りました。

また、授業では原子力災害が起きた場合は、避難することで身を守る重要性も伝えられました。

【児童】
「新潟県にも原子力発電所があるので、新潟県の近くで大きな地震が起きたときに、どんな被害が想定されるかを考えて行動したいと思った」

【児童】
「(避難のため)新しい場所に行くことが、自分には不安で仕方ないことだと思った」

【児童】
「自分たちのための発電だけど、原子力は危ないこともあると思うので、その辺を気をつけて、このようなことを頭に入れて暮らしていきたいと思った」

13年前の葛藤を子どもたちに語った谷内さん。

【福島・郡山市から避難 谷内和美さん】
「気にかけておくことは防災の一歩かなと思う」

「地震や原子力災害について家族とも話をしてほしい」と呼びかけました。