突然家を失った挙句…更地にするため“自己負担で約1000万円” 火元の倉庫でクラシックカーを整備していた車の所有者を書類送検

去年1月、名古屋市千種区で住宅など9棟が焼けた火事。クラシックカーの整備が出火原因だったとして、車を所有する男性が書類送検されました。目の前に迫る炎と煙。去年1月、名古屋市千種区の地下鉄桜通線・吹上駅近くで発生した火事。けが人はいませんでしたが、住宅などあわせて9棟が焼けました。
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(目撃した人)「爆発音が2回した。火の粉がボンボン飛んできた」「向こう側から火が出て、屋根沿いに伝わってきた」
火元となったのは、クラシックカーを保管していた倉庫。出火当時、そこでは中村区に住む60代の男性が趣味で車の整備をしていました。
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警察は14日、この男性を重過失失火の疑いで書類送検しました。男性は、車からガソリンが漏れていたにもかかわらず、適切な処理をせずにエンジンをかけたことでガソリンに引火させた疑いが持たれています。警察の調べに対し、男性は容疑を認めているということです。
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火が燃え移り、自宅を失った40代の男性は…(火事にあった男性・去年3月)「入りたくても入れない、全部がやばいので。あれが思い出のレクサス。すごく色が好きだったんですよ」30代の妻と2人で、火元の倉庫の隣に住んでいた男性。築約20年の家を突然失いました。
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男性の両親は、火が燃え移った建物のうち、自宅を含めて3棟を所有。火元の倉庫を含め、焼けた建物のがれきの撤去費用のほとんどを男性の家族が負担することになりました。見舞金として名古屋市から18万円が補助されましたが、更地にするため自己負担で約1000万円を支払いました。(火事にあった男性)「うちらは生活もできなくなって、お金も払って、理不尽しかないですよね、正直なことを言うとね」火事のあった現場はいま、駐車場に。
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男性はアパートを借りて、自宅を建て直すことも検討していましたが、去年10月に名古屋市内にマンションを購入。新たな生活が始まりました。(男性)「新しい生活を望んでいたわけではないので、もともとが。財布とかカードとか何もない。再発行するには住民票が必要になってくる。でも『家ないじゃん』って。最初のうちは想像以上に大変だった。当たり前のことができなかった」
落ち度のない人が、多額の費用を負担しなければならない現状。男性の弁護士に話を聞くと…
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(塩見法律事務所・塩見渉弁護士)「火災を起こした当人から回収しないといけない。9軒くらいの被害者がいるので、とても足らない。したがって自己破産を考えているとも聞いている。(Q.もし自己破産したら?)お金にして配当する資産はないと思うので、回収を受けられない」
出火直後、消防のヘリコプターが赤外線カメラで撮影した映像には、小さな「火の粉」が現場上空に数多く舞い上がっていました。
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消防によりますと、火の勢いが強い場合は火の粉が飛散し、延焼が拡大するおそれがあるということです。
複数の建物に延焼する火事は、3月にも発生。愛知県清須市では住宅など8棟が燃えました。命を奪う危険のある火事。一方で、助かった場合でも、生活再建への費用負担が重くのしかかります。
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