「15の春」島を離れても親友 与那国町内の2中学校、13人が卒業 沖縄

【与那国】与那国町内の2中学校で3月10日、卒業式が行われ、計13人が後輩や保護者に見守られ、門出を迎えた。島には高校がなく、多くが卒業と同時に島を離れる。久部良中学校(伊舎堂用右校長)では、会場となった体育館に漁業の街を象徴する色とりどりの大漁旗や、5人の卒業生が島を離れる気持ちを詠んだ叙情歌「ドゥナンスンカニ」の歌詞が飾られた。(田頭瑠都通信員)
伊舎堂校長は「全ては自分の意志から始まる。自信を持って、自らの力で道を切り開いてください」と式辞。在校生を代表して仲里玲音さんは「新生活で不安になる時は島を思い出して乗り越えてほしい」と送辞を述べた。
卒業する後安里(こしあさと)泰吾さんは、校訓の「世界雄飛」の言葉に触れ、「君たち後輩は島から出ても親友のままです」と答辞した。

小中学校の9年間休まず登校し、皆勤賞を受賞した玉城寧衣菜(ねいな)さんは「意識せず過ごしたけど、このまま高校でも達成できたらうれしい」と朗らかに笑う。4人姉妹の次女で1度決めたら譲らない頑固な性格。昨夏、海外研修に参加したことで英語に興味が湧き、高校では語学学習に力を入れるつもりだ。
母のみさねさんは「週末に熱を出しても体調を整えて登校するなど、自己管理ができるから進学しても大丈夫かな」と話した。
砂川晴太さんは小学校から9年間、同じランドセルを使用した。入学祝いに祖父から送られた宝物。青色が好きだったが、届いたのは黒色のランドセル。それでも愛着が湧き、中学校でも使い続けることにためらいはなかった。
まだ使える状態だが体に合わなくなり、「思い入れもあるけれど、誰かが使ってくれるなら」と卒業を機に島に残していくことに決めた。
5人きょうだいの長男。高校では建築学科に進む。「きょうだいと離れるのは寂しいけど、勉強が楽しみ」と期待に胸を膨らませた。

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