物は購入の際だけでなく、処分時にも費用が発生するもの。店頭で不要になった物品に「ご自由にお持ち帰り下さい」といった旨の張り紙を貼り、引き取り手を募る方法を目にした経験はないだろうか。
現在X（旧・ツイッター）上では、あまりにストロングすぎる「ご自由にお持ち帰り下さい」に、注目が集まっている。
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事の発端は、4月6日にX上で拡散された「ご自由にお持ち帰り選手権」なるハッシュタグ。
名前の通り、日常生活の中で遭遇した様々な「ご自由にお持ち帰り下さい」シチュエーションの画像を投稿する際に用いられるもので、同ハッシュタグを確認すると、流氷やマネキン、弁当の食品サンプルなど、多種多様な物品の投稿が確認できた。
いずれも、「ご自由にお持ち帰り下さい」と書かれた張り紙が貼られているのがポイントである。
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そんな中、とあるXユーザーが同ハッシュタグを冠して「ほ、ほしすぎる！」と書いたポストを投稿。
なんと、ポストの写真には「ご自由にお持ち帰り下さい」の張り紙が貼られた、視力検査器具が収められていたのだ。器具の横の外壁に貼られた張り紙を見ると、どうやら「メガネの和光」店舗が閉店に伴い、店先に設置した模様。
インパクトの凄まじい光景はXユーザーのハートを鷲掴みにし、同ポストには「視力検査が毎日できますね！」「毎日見てたら文字を覚えちゃって、検査にならなそう」「絶対置く場所困る」「欲しい欲しい言ってる人いるけど、何に使うん？」など、称賛の声とツッコミが多数寄せられている。
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そしてポスト投稿から数時間後、とんでもない続報を受け、X上にさらなる衝撃が走ったのだ…。
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次に注目したいのは、Xユーザー・西さんが投稿した1件のポスト。前出のポストを引用する形で「ありがとうございます、大切にします」と綴ったポストには、件の視力検査器具の写真が添えられている。
ありがとうございます、大切にします https://t.co/W3Dx4p484p pic.twitter.com/kQw0m7zG2X
° (@256Best) April 6, 2024
どうやらポスト内の情報から場所を特定したようだが、「持ち帰り」でなく、物見遊山の感覚で現地に赴いた可能性も高い。…と思いきや、続くポストでは「かえります」と綴り、器具を駅のホームに持ち込んでいる写真が公開されたのだ。
かえります。 pic.twitter.com/RYQYo5cZ0j
° (@256Best) April 6, 2024
視力検査器具に対する西さんの熱い思いは多くのXユーザーに感銘を与え、件のポストは投稿から2日足らずで1.5万件以上ものリポストを記録する事態に。
「駅ホームに視力検査器具がある」というあまりにシュールな光景だが、人々からは「ここまで行動できる想いのある、素敵な飼い主が見つかって良かった。大事に育ててあげてほしい」「ちゃんと連れて帰ってるの、素敵すぎる」「なぜか分からないけど、この人の手に渡って嬉しい」など、称賛の声が多数寄せられていた。
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6日の夕食後、Xを眺めていた西さんは前出の「ご自由にお持ち帰り下さい」ポストを発見し、視力検査器具を「お迎え」することを決意。10分以内に新幹線の切符を買い、その10分後には電車に乗っていたというから、恐るべき行動力である。
今見てとてつもなく欲しいからないの覚悟だけど見に行く https://t.co/W3Dx4p3AeR pic.twitter.com/QcOEt19rDH
° (@256Best) April 6, 2024
持ち帰っている際は好奇の目に晒されたというが、羞恥心に耐え、職務質問を受けることもなく、無事に我が家への持ち帰りに成功。
西さんは「軽い試運転をした後、清掃のために一旦カバーを掛けて置いてます。部屋に視力検査器具があると、やはり面白いものですね」ともコメントしており、言葉の端々から大物の風格が感じられた。
「決断力」と「行動力」の大切さを、改めて教えてくれた一連のエピソード。件の視力検査器具にはぜひ、セカンドライフを謳歌してもらいたいものだ。
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秋山はじめ：1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。
新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力と機動力を活かして邁進中。
X（旧・ツイッター）を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉（浦和）や、蒲田などのローカルネタにも精通。