“末期がんで余命宣告” 48歳被告に死刑判決 「わかりましたね?」の問いに「はい」と短く答える 名古屋地裁「強盗殺人」認める 被告は控訴

6年前、名古屋市南区で夫婦2人を殺害し現金を奪った罪に問われ、一度は「無期懲役」の判決を受けた後に審理を差し戻された男に、名古屋地裁の森島聡裁判長は、死刑判決を言い渡しました。被告の男は、2日付で控訴しました。
<名古屋地裁 差し戻し判決のポイント>・「2人を殺害した直後に室内を物色していて、当初から強盗目的があったと推認される」・弁護側は「軽度の知的障害が事件全体に影響している」と主張していたが、裁判長は「被告にはタクシー運転手などの職歴があり、完全責任能力がある」と指摘。・「死刑を回避すべき事情がない」山田被告はこの間、まっすぐ裁判長を見つめ続け、裁判長の「わかりましたね?」との問いに、うなずきながら「はい」と短く答える。
男はステージ4末期のすい臓がんで、医師からは手術や放射線治療はできず、余命は「1年」とも告げられたといいますが、遺族は「この裁判と山田被告の病気(すい臓がん)とは全く関係ない。死刑宣告してもらいたいと思います」と裁判で意見陳述していました。
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名古屋地裁(午後3時ごろ)
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起訴状などによりますと、名古屋市南区の山田広志被告(48)は2017年3月、南区の住宅で大島克夫さんと妻のたみ子さんの首などを刃物で刺して殺害し、現金少なくとも1200円が入った財布を奪った強盗殺人の罪に問われています。
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一審は「殺人」と「窃盗」にあたるとして「無期懲役」を言い渡しましたが、控訴審で名古屋高裁は強盗目的が認められることを前提に審理を差し戻していました。

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ことし1月に始まった差し戻し審で、検察側は改めて「強盗目的があった」として死刑を求刑。弁護側は「強盗目的はなかった」と、無期懲役の判決を求めていました。2日に名古屋地裁で行われた差し戻し審の判決で、森島聡裁判長は主文を後回しにした上で、「強盗殺人が成立する」と判断し、死刑判決を言い渡しました。
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2日に名古屋地裁で行われた差し戻し審の判決で、森島聡裁判長は「2人を殺害した直後に室内を物色していて、当初から強盗目的があったと推認される」と指摘。弁護側は「軽度の知的障害が事件全体に影響している」と主張していましたが、森島裁判長は「タクシー運転手などの職歴があり、完全責任能力がある」として、求刑通り、山田被告に死刑判決を言い渡しました。山田被告は、2日付で「控訴」しました。
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山田被告は去年(2022年)2月に末期のすい臓がんと診断され、余命宣告を受けています。
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被害者の遺族は「この裁判と山田被告の病気とは全く関係ない。死刑宣告してもらいたい」と法廷で述べていました。