アニメ監督の白土武さん「どれも世界に一つだけのデザイン」 沖縄の子どもに絵コンテの描き方を紹介

「ゲゲゲの鬼太郎」や「ルパン3世」などを手がけるアニメ監督、白土(しらと)武さんを招いた絵コンテ教室が9日、沖縄県中城村の吉の浦会館であり、村内の小学生約40人が参加した。同村の浜田京介村長が昨年11月、県内41市町村長が競った沖縄国際映画祭の関連イベント「ハイサイ! うた自慢まち自慢2022沖縄大会」で優勝したのを機に、吉本興業が中城での開催を決めた。(中部報道部・平島夏実)
白土さんはこの日のために、完全オリジナル作品のシナリオを準備した。中城城の城主である護佐丸が、村人と協力してマジムンを退治する物語。吉本所属の県出身芸人、宮川たま子さんも制作に協力した。
白土さんは「アニメって実は、僕みたいなのが毎日一生懸命描いてるのよ。なかなか若い人がいないから引退できなくて、ペンだこができている」と自己紹介した。
関連記事吉本興業会長、韓国のK-POPアリーナを例に「沖縄・普天間飛行場の跡地に一大拠点を」 ・・・ 宜野湾市商工会(長堂昌太郎会長)の会員交流会が23日、沖縄県宜野湾市内であった。www.okinawatimes.co.jp 続いて「何の絵だと思う、クイズだよ」と呼びかけ、ウサギの耳のようなものをホワイトボードに描いた。「ピカチュウだ」と子どもたちが叫ぶ中でペンを動かし、チョキのマークに仕上げてはぐらかした。「絵は最後まで分からないし、途中で別の物に変えられるのが楽しい。下手だなんて思わないで。どれも世界に一つだけのデザインだよ」と語りかけた。
子どもたちは、白土さんが準備した絵コンテに薄い紙を重ね、鉛筆で写し取る作業を体験した。中城小4年の山城結希乃さんは「うまいなあ、僕よりうまい」と褒められてニッコリ。同小2年の仲松志(しん)さんは「もう終わったの、あぎじゃびよー、心強いねえ」と喜ぶ白土さんに「もっと前に終わってたよ」と胸を張った。
同小4年の比嘉朝陽(あさひ)さんと宮城砂紋(さもん)さんは、絵の背景になる青空をクレヨンで一心に描いた。子どもたちの絵コンテは、音楽やせりふの付いたアニメ作品に仕上がる予定。