金価格高騰の今、夢心地が味わえる?…砂金堀り体験26日からスタート…大樹町・あの街行く北海道

金価格が高騰する昨今、ほんの少し夢心地を味わえる場所がある。きょう26日から大樹町のカムイコタン公園キャンプ場付近で、砂金掘り体験が始まる。
町を流れ、太平洋へ注ぎ込む歴舟川の上流にスポットがある。歴舟川は環境省の水質調査で過去18回も日本一に選ばれた清流。日高山脈南部のコイカクシュサツナイ岳が源流で、川底や川辺の砂利に砂金が交じっている。砂金掘りの歴史は古く、江戸時代初期の1635年から始まったという記録が残っている。
昔ながらの技法を用い、クワのような「カッチャ」で砂利をすくい、「ゆり板」に乗せ、水にさらしながら砂利と砂金を分けていく。インストラクターを務める有岡繁さん(73)は「ゆり板の砂が一気に流れないよう、川の水流を利用して丁寧に分けるのがコツ。お子さんだと1時間程度で慣れますね」と話す。
実際に採れる金は、砂の粒ぐらいでごく少量だ。それでも正真正銘のゴールド。多くの利用客は没頭して砂金掘りに興じるという。例年は6月から始まっていた催しだが、「大型連休にも多くの方々に来てほしい」(町企画商工課)と今年は1か月以上前倒しした。今年の期間は9月30日まで。一獲千金とはいかずとも、ロマンを求めるのも面白い。
〇…30年以上前から町が取り組んでいる「宇宙のまちづくり」は今や全国区だ。海沿いに面するロケット発射場「北海道スペースポート」は、世界中の民間企業や研究機関などが自由に使用できる施設で、2021年に本格始動。またロケット開発に励む、実業家の堀江貴文氏が出資する企業「インターステラテクノロジズ」は大樹町に拠点を持つ。宇宙産業最先端の町として、こちらも大きなロマンがある。
◆大樹町 十勝地方南部に位置する。明治期に依田勉三が率いる「晩成社」など民間団体が中心になり、開拓が進められる。ちなみに六花亭の銘菓「マルセイバターサンド」の包装紙は、晩成社が当時製造していたバターのラベルを復刻したもの。1928年に広尾村から分離し、大樹村になる。人口は5273人(3月末現在)。町名の由来は、アイヌ語で「大木が群生するところ」を意味する「タイキウシ」。
◆砂金掘り体験 事前予約が必要でインストラクターのガイド付きの体験もある。1~10人までの1組につき、インストラクター1人が目安で、ガイド料は3300円(税込み)。道具のレンタル(有料)も可能。詳細は町の公式サイトまで。