トイレで出産、窓から男児投げ捨て 殺人未遂、母親に懲役5年 千葉地裁「出産隠すための犯行」 男児は生涯寝たきりに

船橋市の自宅で、出産したばかりの男児を窓から投げ捨てたとされる事件で、殺人未遂の罪に問われた船橋市、石原美帆被告(24)の裁判員裁判判決公判が3日、千葉地裁であり、上岡哲生裁判長は「出産を隠すために犯行に及んだ。強く非難する」として懲役5年(求刑懲役6年)を言い渡した。
弁護側は「当時パニック状態で殺意はなかった」と主張したが、上岡裁判長は出産後に血を洗い流し、新生児を裸の状態で30分間放置したことなどから「自身の身を守る行動を把握できる心理状態だった。男児の命よりも出産の事実を隠すことを優先した」とし、殺人未遂罪が成立すると判断した。
男児は現在も自発的に呼吸できず、生涯にわたり寝たきり状態になるといい「結果の重大性を考慮した」と量刑理由を説明した。
起訴状によると、2021年4月24日夜、自宅トイレで出産した男児の取り扱いに困り、男児を紙袋に入れて窓から約1・7メートル下に投げ捨てた上、近隣住民らに見つからないよう男児を自宅敷地内の別の場所に移して放置し、殺害しようとした。男児は重症低酸素性虚血性脳症などを負った。