【速報】市原・中2いじめ 同級生6人による暴力など認定 原因はLINE巡るトラブル 教職員の対応遅れも 調査委報告 被害生徒不信「納得できない」第三者委設置訴え

市原市立三和中学校の2年男子生徒が強迫性障害を患い不登校となっている「いじめ重大事態」で、市教委の調査委員会(委員長=鈴木俊一教育振興部長)は3日、市役所で記者会見を開き「同級生男子6人からいじめがあった」とする報告書を発表した。3カ月間にわたる暴力や文房具を奪うなどの行為も認定。通信アプリLINE(ライン)を巡るトラブルが原因で、教職員によるいじめ対応の遅れも要因に挙げ厳しく指弾した。一方、被害生徒と保護者は「調査は不十分で納得できない」として第三者による調査委員会の設置を要望している。
報告書によると、昨年の夏休みに起きたLINEをブロックされるなどのトラブルをきっかけに関係が悪化し、いじめが始まった。
調査委は、被害生徒の保護者から申告があった25項目のいじめ行為のうち、被害・加害両者の供述が一致した12項目を認定。具体的には▽昨年9~11月に繰り返し蹴った▽持ち上げて下に落とした▽両者が蹴り合った▽昨年9~11月に複数回、文房具を取った▽「来んなよ」と言った-などの行為を事実とした。
共謀については「複数人が意思を通じて行ったとは確認できなかった」と報告したが、暴力行為に乗じて近くにいた生徒が暴力を加えたケースもあった。
学校現場に対しては「個々のトラブルや事象について、家庭への連絡を怠ったり、校内で十分な情報共有がされなかった。教職員の未熟さ、組織のぜい弱さで対応が遅れた」と批判。市教委の対応にも「一報の際に直ちに重大事態と判断できなかった」と反省を求めた。林充教育長は「全ての責任は私にある」と謝罪し、「市いじめ防止等のための基本計画」を見直す方針を明らかにした。
鈴木委員長によると、加害生徒側は報告書の内容に一定の理解を示しているという。一方、被害生徒の保護者は取材に対し「息子は『いじめを隠ぺいした先生はうそをついている』と嘆いている。調査結果は事実と異なる部分があり、悪意を感じ納得できない。不信感があるので、第三者委で公平公正な調査をしてほしい」と訴えた。