エース不在見えた課題 専大松戸 第76回春季関東高校野球

県大会であった笑顔はなかった。千葉の王者が初戦であっけなく姿を消した。強豪ぞろいの関東の舞台もエース不在で臨む緊急事態となり、専大松戸の中山凱主将は「打線がもっと援護しなければいけなかった」と無念さをにじませた。
苦しい試合だった。梅沢翔大が左足小指を骨折し、神奈川の猛者に1年生を含む5人の継投リレーで挑んだが、力の差は歴然。「食らいついていけた」(中山主将)と前半こそ競り合ったものの、11安打9失点とほろ苦い内容となった。
2-4の七回に守備がほころんだ。中堅前の当たりをうまく捕球できずにグラブから2度落とす。さらにはスクイズ失敗後の挟殺プレーで走者を追い込めずに追加点を与えてしまった。主将は「自分たちで悪い流れを断ち切れず、そのままずるずるいってしまった」と反省の言葉を続けた。
県大会では何度も逆境をはね返してきた打線は相手の長身左腕から何とか3点を挙げたものの、勝利をつかめる出来とは言い難い内容だった。
絶対的なエースが不在だったからこそ見えた課題。「まだまだ技術不足。梅沢がいなくても勝てる打撃力をもっと磨いていかないといけない」と痛感した。総合力を必要とする夏の本番に向け「この経験を生かし、今年も甲子園に絶対に行きたい」と意気込んだ。