(若狭敬一キャスター)いよいよ、あす(31日)重要な1局を迎えます。将棋の藤井聡太八冠が「カド番」で迎える叡王戦五番勝負第4局。31日に千葉県で行われます。
(柳沢彩美アナウンサー)藤井聡太八冠、伊藤匠七段は、2人とも2002年生まれで、同い年の対局です。藤井八冠が7月生まれで、伊藤七段が10月生まれなので、学年も一緒ということになります。
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プロ入りの時期ですが、藤井八冠は14歳2か月の“史上最年少”でプロ入りしました。伊藤七段は17歳11か月のときだったんですね。
(若狭キャスター)藤井八冠の14歳2か月が目立ちますが、伊藤七段の17歳もすごいですもんね。
(柳沢アナ)2人の対戦成績ですが、藤井八冠が11勝、伊藤七段が2勝と。タイトルは藤井八冠が八つのタイトル全てを獲得していますが、伊藤七段はまだタイトルの獲得はないということなんです。(若狭キャスター)初のタイトルで気合が入っているでしょうね。(大石邦彦アンカーマン)これで藤井八冠が破れてしまいますと、あす(31日)以降、藤井八冠と呼べなくなってしまうくらい大切な対局なんですけが、ここまでの叡王戦を見てみると、実は本当に藤井八冠が苦戦しているというのがわかります。叡王戦は5番勝負になります。先に3勝した方が勝ちなんです。ここまで藤井八冠の1勝2敗、伊藤七段の2勝1敗です。藤井八冠、先に王手をかけられたのも初めてだし、タイトル戦で同じ相手に2連敗したのも初めて。そんな中での第4局なんです。
CBC
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第2局の一勝で、やはり伊藤七段はいけるんだという手応え・自信をつけたんじゃないかと師匠の杉本昌隆八段は見ています。またこの2人というのは、杉本師匠によれば「似た者同士」という表現を使っていまして、安定感もあって無駄もない。そして何と言っても先手番のときに逃げ切りで勝つ。その勝ちパターンも同じということで、似た者同士の対局でお互いが手の内をわかっているだけに、それがやりにくいのかやりやすいのかということですね。
(若狭キャスター)勝負のお別れ目、ポイントはどのあたりですか?(大石アンカーマン)そうですね、まず、王手をかけている伊藤七段は、あす(31日)先手番です。先手番の方が、自分が思い描いた将棋ができるので、有利と言われています。杉本師匠によりますと、伊藤七段の勝ちパターンは先手番を利して、先行逃げ切り。一方、藤井八冠の勝ちパターンは、相手のミスを見逃さず、そのミスをしっかりつけていけるかどうか、ミスを見逃さないというところなんです。
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では、伊藤七段が先行逃げ切りでミスをしなかったら…伊藤七段はそのまま逃げ切るということですが、杉本師匠も絶対ミスはするもんだというふうに言っています。そういう意味では、ここの対局は本当に楽しみではありますよね。
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(若狭キャスター)勝負の分かれ目があるようですね。(大石アンカーマン)杉本師匠は「持ち時間の短さ」とみています。叡王戦は、名人戦と違うんですよね。名人戦は持ち時間が9時間でタイトル戦で最も長い。一方、叡王戦は4時間でタイトル戦の中では一番短いんですよね。持ち時間が短いということは、考える時間も短くなります。そうすると我々も考える時間が短いときってミスしたりしませんか?(若狭キャスター)そうですね、大体ミスが出るのはそういうことですもんね、焦っちゃってということですからね。
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(大石アンカーマン)だから、この短い時間で対局すると、ミスも出てくるだろうと。そして、持ち時間が2人で8時間になるわけですが、あす(31日)の午後6時以降に持ち時間が切れて、1分将棋になると1分で次の手を考えなきゃいけない。そうすると当然ミスが出てくるかもしれない。この持ち時間の短さが、どう影響するのかということです。
(若狭キャスター)どんな戦いになるのか。あした(31日)午前9時から千葉県の柏市で行われます。