八街・小学生の列にトラック5人死傷 悲劇から3年、冥福祈り献花 市長「決して忘れてはいけない日」

八街市で下校中だった市立朝陽小の児童5人が飲酒運転のトラックにはねられ死傷した事故は28日、発生から3年が経過した。現場では、犠牲になった男児2人の冥福を祈り花を手向けたり、手を合わせたりする人の姿があった。市役所で黙とうをささげた北村新司市長は「6月28日は決して忘れてはいけない日」と力を込めた。
現場では朝から雨が降る中、人々が傘を地面に置いて手を合わせたり、花や飲み物を手向けたりした。近所の男性(77)は「子どもは何も悪くないのに…」と声を落とした。
市役所でも、北村市長や市幹部ら計17人が事故発生時刻の午後3時23分を前に会議室に集まり、庁内アナウンスの後、現場のある北側を向いて1分間黙とう。北村市長は取材に「八街市にとって令和3年6月28日は決して忘れてはいけない日」と強調した。
事故を受けた通学路の安全対策を巡っては、市内で危険箇所と判断された150カ所のうち141カ所で完了。残りは信号機の設置などで、北村市長は時間を要するとした上で「子どもたちの安心安全のため道路整備を中心に進めていきたい」と引き続き注力する姿勢を示した。
また、事故原因となった飲酒運転が市内でもいまだ続発しており「市では根絶宣言をしているがまだまだ理解が進んでいない。地域の協力を得ながらさらなる努力をしていきたい」と述べた。
市教委によると、朝陽小では、有賀享校長が5、6年生を対象にした講話を学年ごとに行った。「一人一人がきちんと自分の安全を守ることが周りの安全にもつながる」などと交通ルールを守ることの大切さが伝えられ、子どもたちは真剣に耳を傾けていたという。