【家事の役割分担】女性に聞いた。あなたが担当している家事は何ですか? 3位は「洗濯」。

人事のトータルソリューションを提供するベクトルは、10代~60代の女性限定で500人を対象に「家事についてのアンケート調査」を実施した。

共働き世帯が増えている今、パートナーとの火種になりやすいのが「家事」の役割分担。

「家事」という幅広い仕事の中で、どちらが何をどの程度負担するのか、家庭によって異なるルールがあるだろう。だからこそよその家庭がどう分担しているのか、気になるところだ。

今回は、家事をしたことがある女性限定500名の協力を得て、家事分担の実態をリサーチを実施した。調査日は、2022年09月14日~09月28日。調査方法は、インターネットによる選択・記述式回答。

回答者の属性は、30代・40代と、子育て世代が中心となった。ではさっそく、みんながどういった家事を担当しているのか、具体的に見ていこう。

自分が担当している家事について聞いた結果は上記の通りとなった。

「料理」「部屋の掃除」「洗濯」「食器洗い」「トイレ掃除」の5つについては、500人中400人以上が「担当している」と回答した。

一方で、「家事を何もしない」と回答した人は0人となり、普段の生活の中で女性が家事をするのがごく当たり前になっている様子が伝わってくる結果となった。

続いて、家事の分担割合について聞いた。33%は、日常家事の「9割以上~10割未満」を担当していると回答。「7割以上~9割未満」と合わせると全体の64%となり、「家事をするのは主に女性」という家庭が多いのがわかる。

ちなみに「全て自分が担当(10割)」を選んだ人が11%であったのに対して、「全て相手が担当(0割)」を選択した人は、なんと0%=つまり0人という結果になった。女性が何かしらの家事をするのが、まだまだ当たり前なのだなと感じざるを得ない結果だ。

では続いて、今の状況への満足度についても聞いてみよう。

「大変満足」と「満足」を合わせると、半数以上の女性が不満なく家事を行っていることがわかる。

それぞれの理由についてもチェックしてみよう。
○【大変満足】

・現在私達夫婦に子どもはなく、私は専業主婦の為、私が基本的に家事をするのは普通の事だと思っているからです。しかし、夫も休みの日には、食器を洗ってくれたり、お風呂掃除をしたり、洗濯をしたりと、家事にも積極的で助かっています
・きっちり分けるのではなくて、気づいたときにお互いがやる感じなので不満もない

○【満足】

・家事は家族で役割分担が決まっており、仕事がある場合は他の人が率先して行っているため
・やりたい時に自分のやり方で家事をこなしているため。時々、食器ふきや網戸あらい等をしてくれるため

○【どちらとも言えない】

・少しはやってほしいと思うけど、雑だったり間違ったりと私の思う結果にならないのなら、全て自分でやった方が正確で早いから
・自分は仕事もしているので少し前まではすべて自分がやっていたことが9割以上でした。今はコロナになりパートナーがリモート業務になったことにより相手が料理などやってくれることが増えました。またリモートが終わったら自分がすべてやるかもしれないと思うとどちらとも言えません

一方で「不満」派では、家事分担割合はもちろん、パートナーの「姿勢」に疑問を抱く意見が目立った。「やって当たり前」と思われると、モチベーションも低下してしまうのだろう。

具体的な意見としては以下のものがあった。
○【不満】

・ほぼほぼ全てに家事は自身がしているが、夫も仕事が大変なので仕方ないとは思うが、当たり前と思っているその気持ちが最大の不満
・もう少し料理に取り組んでほしいのですが、出来ないと言ってなにもしようとはしない。掃除もしてくれてはいるけど、もう少し丁寧におこなってほしい

○【大変不満】

・結婚当初はなんだかんだ分担していましたが、いつの間にかほとんど自分でやっています。夫は、気の向いた時にしか家事はせず、洗い物が流しに置きっぱなしになっていたりして、後でやろうと思ってたという言い訳が多すぎます
・共働きのため、家事がまるごと私の負担になっているが、率先して手伝ってくれないし、手伝って欲しいと伝えるとあからさまに不機嫌になる

「満足」と回答した人の場合、負担割合にかかわらず、お互いが納得してそれぞれの役割を担っている様子が伝わってくる。またお互いへの感謝も上手に伝え合っているのだろう。

女性は家事を「全くやりたくない」というよりは、「お前がやって当たり前」と思われたくなかったり、自分がやれないときにはやれるようになっていて欲しい、ねぎらいの言葉や感謝の言葉があると嬉しいなどという感情があるのだと思われる。

休みなく続く家事に対して、「お給料が支給されたら…」と思ったことがある人もいるのではないだろうか。そこで、女性が希望する日給についても聞いてみた。

もっとも多かったのは「5,000円以上~10,000円未満」という意見。「~5,000円未満」という意見も目立った。

決して大きな金額をもらいたいわけではなく、「自身の労働に対して、目に見える形で正当な評価がほしい!」とか、「お金だけじゃなく感謝の気持ちが欲しい」と思っている人も多いのではないか。

続いて、家事分担に対する女性たちの本音に迫ってみよう。誰が分担するべきだと考えるか、アンケートで聞いてみた。

「○○は絶対に誰がやるべき!」というルールを作れば、一見平等に見えるかもしれない。しかし実際には、仕事や体調で難しいこともあるだろう。「自分の担当でないからやらない!」とも言われかねない。

「役割分担」としてどちらか一方にだけ負担を担わせるのではなく、「気づいた方がやればいい」という、ふわっとした感じ、臨機応変な姿勢を望む女性が多いようだ。

家事負担軽減のため、注目されているのが家事代行業者。女性たちの利用状況や、実際に利用した感想について聞いた。

家事代行業者を利用した経験があるのは、全体の11%。魅力的だと感じつつ、一歩踏み出せていない女性も多いようだ。何となく「贅沢」「お金持ちにしかできない」というイメージを持つ人もいるのではないだろうか。

実際に利用した人の満足度はかなり高めで、6割近くが「良かった」と回答するなど、家事の負担軽減に役立っている様子が伝わってくる。

ちなみに、「良かった」と回答した理由は以下の通りだ。

・プロがやってくれるので仕上がりなどの満足度が高い:17人
・自由な時間が増える:10人
・家事の肉体的な負担が減る:10人
・家事の精神的な負担が減る:9人
・清潔で快適な生活を送ることができる:6人
・心にゆとり、余裕が生まれる:6人
・仕事に費やす時間が増える:3人
・パートナー、家族との時間が増える:1人
・その他:3人 (n=54)

プロならではの付加価値に、魅力を感じている人が多いことがわかる。肉体的にも精神的にも、余裕が生まれているようだ。

一方で、気になるのが家事代行業者を「利用しなければ良かった」という意見。こちらも理由をチェックしてみよう。

・費用がかかる:7人
・代行スタッフに当たり外れがある:2人
・依頼内容を細かく指示するのが面倒だった:1人 (n=10)

費用と、スタッフの質がネックと言えそうだ。

先ほどの質問で「家事代行業者を利用したことがない」と回答した人を対象に、今後の希望を聞いてみた。

意外なことに、「利用したくない」と答えた人の割合が6割以上という結果に。理由についても聞いてみよう。

家に人を入れることと、金銭的な負担に対して抵抗感を抱いている人が多いとわかった。

「もしも依頼するなら…」という前提で、回答してもらったのが以下の質問だ。

女性たちが特にお願いしたいと考えているのは、「掃除」のようだ。「プロの手でピカピカにしてもらえる」とはいえ、「その前の状態で人を招き入れる」ことに、抵抗がある人も多いのではないだろうか。

負担が重い家事をきっかけに、パートナーとの関係性が悪化してしまうケースも見られる。女性たちは、パートナーからのどんな言葉に「嫌だ」と思っているのだろうか。

そこで、家事に対して「パートナーに言われて嫌だったこと」を調査した。女性たちの声をお届けしよう。
○【家事のやり方についての嫌な発言や行動】

・もっと効率よくできないの?と言われた
・「こんなの10分あれば出来る」と言われたこと
・「母さんのやり方と違う」と言われた事(笑)
・「掃除のやり方が雑だ。もっと丁寧に心を込めてやれ」と言われた
・自分のペースでやっているのに、急かされる
・茶碗をすぐに洗わずに置いておいたら「俺だったらさっさと済ませるけどね~」言われたこと
・要領悪いねと言われたこと

○【家事をやった結果についての嫌な発言や行動】

・俺がやった方が綺麗と言われて、じゃあ全部一人でやってくれと思いました
・自分は掃除をしないのに、ここが汚いと文句をいう
・お風呂掃除をした際に、やり方が違っていた為か、黙ってやり直されていた
・自分ではやらないのに、こうしたらいいんじゃないと言われるのが嫌です
・「ご飯これだけ?」と言われたこと
・ご飯の味付けに小言を言われること
・食事で、今は〇〇の気分じゃない、とか言って作ってもらうありがたみがまったくない
・洗濯物の干し方にこだわりがあるのか、一度私が干した物をパートナーに直された

○【私(女性)が家事をやるのが当たり前なのか?と感じる発言や行動】

・家が散らかっていたら全部、私のせいになる
・分担を決めているわけではないのに「そっちの分担でしょ」と言われた時
・体調不良の私に、家事は今やらなくてもいいんだよ、とある意味優しい言葉をかけてくれたものの、代わりにやってくれるわけではない事に少しイラッとしました
・「無理にやらなくも大丈夫だよ。」私がイライラしている時に言われました。きっと優しさで言ってくれたことだろうとは思いますが、実際私がやらなかったら誰がやるんでしょう?と思いさらにイライラしてしまいました。家事はやらなくても済むとは思えないので、「僕がやるから休んでてね」など、進んで手伝ってくれる方がありがたいです
・疲れている時に、こちらがなかなか動けずにいたら、イライラした態度で家事をされたことです
・部屋の片付けが出来てなかったときにため息をつきながら無言で掃除をされたことです

・朝子どもを学校まで送り、家事をやってからペットを病院に連れていくのにバタバタしていた私を見て、「なんか…忙しそうだね」と言われた。頼みたいけど頼めないのでグッとこらえた
・手伝おうか?と言われるのが一番気に食わない

○【相手(男性)が家事をやるのは特別なこと、偉いことと感じられる発言や行動】

・やってくれるが、俺って偉いよねと何回も言ってくるので、感謝が半減
・手伝ってあげてる感を出されるとイラッとします。一緒にやるのがふつうだと思っています
・子どもの世話を「やってあげる」と言ったこと。二人の子どもなのに!

・ゴミを気を利かせて出してくれたら、すごく「出してあげた」感を出して、アピールしてきました。やっぱり、自分の仕事だと思ってないなあと、むっとしました
・義実家や親戚に対して、自分は家事育児やってる感を出した言い方をするのが嫌でした。夫の担当分はほんのわずかに過ぎないのに、それが全てであるかのように「楽勝だよ」的なことを言われるとイラっとします
・家事をやったあとやってあげたと言われた
・「◯◯しておいたよ」と一々報告して感謝を求めてくる。私は当たり前のように毎日して感謝されたことはない
・手伝ってるのにと言われる。当事者意識のなさ

○【その他】

・「トイレットペーパーがない」自分で取り替えてほしい
・替えのゴミ袋つけといて、と言われた時
・人に期待をしない性格みたいで、「別にあてにしてない」と言われた時はショックでした
・ずっと家にいるから楽だねと言われた
・自分が一切やらない癖に、洗い残しなどがあると一々指摘してくる
・疲れているなら、やらなくてもいいのに、と言われた。疲れていてもやらないといけない家事はあると思う
・仕事で帰りが遅くなり、スーパーでお惣菜を買って帰ったら「2人のお金なのになんでこんな無駄遣いするの?」と言われた。 それ以降どんなに遅くなってもご飯を作るようにしていたら「そんなに頑張って作らなくていいのに」と言われた

一生懸命こなしている家事の「やり方」や「やった後の結果」に対して、文句を言われた瞬間、イラっとしてしまう女性が多い。「文句があるのなら、自分でやって!」と思わざるを得ないところだろう。

しかも、文句を言うだけでなく、「やり直す」という行動を取ってしまう男性もいるようで、「やってもらって感謝」という気持ちが無い行動であるように感じられる。

また、「無理にしなくても大丈夫だから!」という一見優しい一言に対しても、「結局これやらないと誰がやるの?」とイライラしてしまう人もいる。優しい言葉よりも家事を済ませてくれるという行動で示して欲しいと思うようだ。

また、義母と比較されるのも、女性の気持ちを逆なでするポイントに。お互いのやり方が異なるのは当たり前であり、上手に歩み寄っていけるのが理想的だろう。

「女性が何もかも、やってもらって当たり前」という気持ちが透けてみえると、気持ちも冷めてしまいがち。自分が手伝ったことを特別視して、「俺って偉い!」「やってあげてる感」を出されてしまうと、感謝の気持ちも薄れてしまうだろう。

一方で、家事に対して「特に言われて嫌だったことはありません」という回答をした人もいた。

理由はコチラ。

・専業主婦で旦那が帰ってくるまでは家事を私がします。帰ってきてからや休日は手伝ってくれるので満足です
・満足を選びました。家事の負担割合は収入額割合で納得しています
・専業主婦で夫の給料で賄えており、家事は私の担当だと思っています
・家事は大好きだし、几帳面で綺麗好きな性格なので全部最初から最後までやりたいと思っているので
・食事作りは誰もやらないので、当然の如く主婦である私が作らなければなりません。が、具合の悪い時は何とかおかゆくらいは作ってくれる

・共働きなので、家事には完璧を求めないようにあまりくちだしをお互いしないため
・ロボット掃除機や、食洗機の導入、洗濯機をドラム式に変更して乾燥まで終わらせるなど、家電を取り入れたため、今の形態に落ち着かせることが出来ました。また試行錯誤して上手く分担することができたので、生活のストレスが減り満足しています
・夫が掃除や洗濯を行ってくれることが多いので助かります

夫が協力的であったり、自分(女性)の方がある程度割り切って家事をしている人が「特に嫌なことを言われていない、満足している」という印象だ。

・この家事は自分(女性)がやること!とある程度割り切っている、家事をやるのが嫌いではない
・やってもらって当たり前ではなく、やってくれてありがとうという気持ちを相手から感じられる
・大変なのはお互い様だから、どちらかが体調が悪いときなどは、相手がカバーしてくれる
・思うことはあると思うが、やり方に対して文句を言ってこない

さらに、相手からの「思いやり」と「協力的な態度」が感じられるかどうかが重要そうだ。

女性たちが担う家事と、その負担割合について調査した今回のアンケート。女性たちの負担は重い一方で、家事代行業者の利用には、やや消極的な姿勢が見られた。

家事は、毎日発生するもの。「お金でプロに依頼する」のは簡単でも、継続しようと思えば、経済的な負担は非常に重くなってしまうだろう。

また今回取り上げた「家事」は、比較的目につきやすいものを対象にしたが、実際にはそのほかにも多くの家事仕事が隠れている。

・子どもの連絡帳の確認・記入
・学校行事への参加(※役員含め)
・水回りの掃除
・衣類の修繕
・ゴミ関連(家中のゴミ集めやゴミ箱にゴミ袋をセットするなど)
・アイロンがけ
・洗剤やシャンプーを容器に補充する、なければ買い足す
・資源ごみ(新聞を紐で縛ったり、ダンボールを崩してまとめたりなど)の準備

まだまだ色々とあることだろう。これらの仕事を代行業者に依頼するのは難しく、残念ながら家事負担をゼロにはできない。どういった仕事があるのかパートナーと一緒に確認し、ルールを作って運用していくのがおすすめとなる。

最初は「自分でやった方が早いから」と納得したつもりでも、長い年月の積み重ねで負担になってしまう可能性もある。

「私はこれだけやってるのにあなたは全然やってない」などの言い争いになれば、関係は悪化。最悪の場合、「離婚」「同居解消」「卒婚」という話が出る可能性もあるだろう。

自分とパートナー、両方が負担に思う家事は、経済的に余裕があれば、多少費用がかかっても割り切ってプロにお任せするのもおすすめだ。

また、調理なべやお掃除ロボット、食洗器に洗濯乾燥機など、家事を楽にする家電を導入するのも良いだろう。初期投資はかかるが、長い目で見ると負担減となり自由な時間を生み出せすこともできるはずだ。

夫婦や同居人がお互いに気持ちよく生活するためには、家事負担に偏りが生じないよう、工夫するのがおすすめ。子どもがいる家庭では、子どもも家族の一員なので、家事を割り振ってみるのも手かもしれない。

「家事をするの女性が当たり前」「どちらか一方の人が家事を大きく担う」という感覚をなしにする、「家事をしてくれてありがとう!」という感謝の気持ちをお互いに持ちつつ助け合うという思いを育てていけると良いだろう。