都知事選落選の石丸伸二氏、国政への意欲ものぞかせる「たとえば広島1区。岸田首相の選挙区です」

任期満了に伴う東京都知事選は7日に投開票され、無所属現職の小池百合子氏の3選が確実となった。
前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏(41)は午後7時49分、400人のボランティアらが駆け付けた新宿区内のホールに姿を見せた。吉報を待ったが、午後8時の投票締め切りと同時に小池氏の当選確実が報じられた。石丸氏は政治再建・都市開発・産業創出を公約に掲げ、元銀行員の経験から「経済と環境、二つのエコの両立」などを訴えていた。
小池氏の当選確実に、会場からは落胆の声が漏れた。一方の石丸氏はYouTube撮影の準備をしており、表情は変わらず。壇上に立つと「今回この選挙に際して、全力を尽くせたなと感じます。数え切れないほどの力を頂戴しました。その点において胸を張ってできることは全部やったと言い切れます。皆さん本当にありがとうございます」と感謝。「僕はもう何もないです。結果においては都民の総意が表れた。私から申し上げることはありません」と1分で話を切り上げた。
敗因を問われると「マスメディアが当初全く扱わなかったから」とチクリ。その後も各社の取材に応じ「負けることを考えるバカはいないんで」などと石丸氏らしい強気の発言を続けた。
市長時代にYouTubeの動画が拡散され「バズり市長」として全国的な人気を獲得した石丸氏は選挙戦中も欠かさず配信。お笑いコンビ・オリエンタルラジオの中田敦彦や人気Youtuber・サワヤン兄弟の動画にも出演し、若い世代から注目を集めた。一方で「ネット以外の知名度のなさ」を補うべく、街頭演説も17日間で228回行い、支援の輪を大きく広げた。
報道陣からは今後についての質問が殺到も「まだ決めていません」と発言。以前「国政はやりたいことができない。首長がやりたい」と明言していたが、この日は「(国政進出を)選択肢としては考えている」と回答。「たとえば広島1区。岸田(文雄)首相の選挙区です」と具体名を挙げた。関係者によると、25年7月の参議院選挙を目指す方針もあるという。(中西 珠友)