気象庁の気温測定方法の秘密「観測値35度の猛暑日」現実には更に過酷な環境も

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7月22日は二十四節気の大暑。各地で順次梅雨明け(速報値)が発表され、夏の暑さが最も厳しく感じられる頃にさしかかります。この時期、特に気になる気象庁で観測される最高気温について、気温の測定方法や以外な注意点などをご紹介します。暑さ対策の参考になさって下さい。
気象庁の気温観測値が35℃の場合 実際にはそれ以上に気温が高いケースも
気象庁の全国の観測地点では、図のような温度計で地上1.5mの位置で気温を測定しています。これは、日射の影響を防ぎ通風により風通しを良くする仕組みとなっており、言わば「風通しの良い日陰」で計測される場合の気温とも捉えることが出来ます。このため、気象庁の観測値が35℃であっても、アスファルト路面の歩道上を歩く人の周囲等では、更に高い気温となっていることが起こり得るのです。
大人よりも子どもやペットは過酷な環境下?

小さなお子様やペット等の顔の位置や目線で考えると、気温より温度が高い路面に近い上に、地表面から反射した日射も受けやすく、大人以上に気温の高い過酷な環境下におかれているとも考えられます。ペットも気温35℃の炎天下でアスファルト路面を長時間歩かされれば足裏にやけどしたり、車内に残されれば熱中症リスクが高まります。熱中症対策は各々の目線で行われることが大切です。
例年梅雨明け後に急増する熱中症の救急搬送

図の折れ線は、2023年の富山県の日別熱中症救急搬送者数を示しています。例年梅雨明けすると、暑さが最も厳しくなる時期でもあり、救急搬送者数は急増していきます。特に、子供や高齢者は熱中症にかかりやすいとされていますので、周囲の大人が見守りをお願いします。お一人で農作業など屋外作業をする際は、定期的に涼しい場所で休憩をとり、こまめに水分や塩分を補給するなどして、熱中症を予防していきましょう。
暑すぎる盛夏到来

気象庁は、24日頃からほぼ全国を対象に、「高温に関する早期天候情報」を発表しています。「10年に1度程度の著しい高温」が毎週のように連発されていますが、この先、暑すぎる盛夏が到来するでしょう。今後ラニーニャ現象が発生すると、夏の高気圧(太平洋高気圧)の北への張り出しが強まり、日本列島全体が更に暖かい空気に覆われやすくなるでしょう。8月のお盆の時期を過ぎても残暑が厳しく長引く可能性もあります。熱中症などの健康管理、農作物の水の管理、家畜の健康管理、食品の温度管理などにも十分注意してください。