ノーベル賞作家の大江健三郎さんが死去 老衰のため 88歳

作家でノーベル文学賞受賞者の大江健三郎(おおえ・けんざぶろう)さんが3日未明、老衰のため死去したと13日、講談社が発表した。享年88。葬儀は家族葬にて執り行った。後日、お別れの会を行う予定。
大江さんは1935年、愛媛県生まれ。東大在学中の57年に発表した「奇妙な仕事」で注目を浴び、58年に「飼育」で芥川賞を受賞した。「個人的な体験」(64年)、「万延元年のフットボール」(67年)、「同時代ゲーム」(79年)、「新しい人よ眼ざめよ」(83年)などを発表し、94年に川端康成に次いで日本人2人目となるノーベル文学賞を受賞した。
「ヒロシマ・ノート」(65年)、「沖縄ノート」(70年)などのルポルタージュや評論でも注目を集め、社会問題にも取り組んだ。2004年には「九条の会」、東日本大震災後には「さようなら原発1000万人アクション」の呼びかけ人の1人となり、デモや講演活動にも力を注いだ。