現金持ち去り元巡査長有罪 栃木、「個人情報を悪用」

宇都宮地裁は13日、変死体の捜査で訪れたことがある住宅から現金や腕時計を持ち去ったとして、占有離脱物横領などの罪に問われた栃木県警の元巡査長、奈良部貴大被告(30)に、懲役3年、執行猶予4年(求刑懲役3年)の判決を言い渡した。

村田千香子裁判官は判決理由で、被告が事前に署のパソコンで検索するなど「警察官として得た個人情報を悪用し、社会的信頼を損ねた」と指摘。一方、既に懲戒免職となり、反省しているとして執行猶予を付けた。

判決などによると、被告は那須塩原署の刑事1課に所属していた令和3年11月8日、変死体の捜査で立ち入ったことがあった同県那須町の住宅の金庫に保管されていた現金100万円を持ち出そうと、窓ガラスを割って侵入。現金約8千円と腕時計3個を持ち去ったとしている。金庫は開けられず、中の現金は無事だった。