《この度諸般の事情により8月10日を持ちまして閉店することとなりました》
多くの常連客から閉店を惜しまれているのが、明治20年(1887年)創業の、東京・水天宮前の老舗寿司店「都寿司」。店主の逮捕後も粛々と営業を続けていたが、店の入口に実質上の廃業の知らせが貼り出されている。
6月27日の深夜、店の営業終了後に酒を飲んでいた5代目店主、山縣秀彰容疑者は面識のない20代女性を路上ナンパし、断られると近隣の路上で無理やりわいせつ行為に及び、6月17日に不同意性交の疑いで逮捕されている。
「逮捕の一報後、ランチの時間帯はいつも以上に行列ができていて、賑わっていました。先代の女将や、逮捕された主人の奥さんで先代の娘さんである若女将が気丈に振舞っていただけに、今回の閉店は非常に残念です」(近所の商店主)
店で修業していた山縣容疑者は婿養子として、先代の4代目が22年に亡くなった後に5代目を引き継いでいた。店主の逮捕後も、残された職人や従業員で店を守り続けると見られていたが、閉店を決断したのには事情があるという。
■ミシュラン星獲得の有名寿司職人も輩出
「当初、若女将は店の継続を宣言していました。しかし、山縣容疑者は、10年前の平成26年6月27日の深夜にも30代女性に声をかけ、未遂に終わりましたがわいせつ行為をしていたことがDNA鑑定で判明し、再逮捕されている。そのため、店には誹謗中傷があったりと、このまま店を継続できないと判断したようです」(女性週刊誌記者)
都寿司は、今や日本で最も予約が取りづらい店の一つとして知られ、ミシュランの星を獲得している有名寿司店「日本橋蛎殻町すぎた」の主人など、腕利きの職人を輩出している。
「先代のもとで修業した有名な寿司職人が独立していますが、都寿司自体は若い職人がテキパキと仕事をする昔ながらのきちんとした老舗で、年配だけでなく若い常連客も少なくありません。いわゆる高級店ではなく、ランチは煮もの丼が有名でリーズナブルです。中学生の息子さんが跡継ぎとして期待されていただけに、老舗を廃業に追い込んでしまい、とんだ婿をとってしまったという感じでしょう」(前出の商店主)
老舗寿司店を突然襲った悲劇。140年近い店の歴史に終止符を打ってしまった店主の罪は重い。