東京マラソン、「立ちション」より深刻な問題に愕然… 地元住民から怒りの声

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5日、東京都庁から東京駅前のコースを走る「東京マラソン2023」が開催された。ネット上では、一部ランナーの悪質な行為が物議を醸している。
地元住民からは怒りの声も聞こえてきて…。
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今年の東京マラソンは、国内外から3万8,000人のランナーが参加し、大盛況で幕を閉じた。しかし、大会終了後にネット上で拡散された動画が波紋を呼ぶことに。
問題の動画には、複数の男性ランナーが道路脇の植え込みに向かって立ち小便をするという、信じがたい光景が映し出されていたのだ。また、ランナー達がスタート地点の東京都庁前に大量のウェアやビニール袋を投げ捨てるなど、まさに無法地帯。
ネット上では、「マナー違反は失格にするべき」「自分も市民ランナーだけど同じランナーとして腹立たしい」「不衛生すぎる」「出場資格停止して逮捕しろ」など、厳しい声が多数あがっている。
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過去に東京マラソンに参加したことのある男性は、今回の件について「絶対許されることではない」と前置きしつつ、大会のトイレ事情についてこう語る。
「ランナーの数に対して、設置されるトイレの数が少ない印象です。毎回すごく並ぶので、スタートする40~50分前に行っておかないと、間に合いません。そうして用を足しても、外はすごく寒いのでトイレが近くなります。でも、直前にトイレに行ったら列に並ばないといけません。スタート直前に用を足したい時は、自分のスタートが遅れるのを覚悟して列の最後尾に並ぶか、最初の1~2キロ走ったところにある沿道の仮設トイレに駆け込むかのどちらかになると思います」(東京マラソンの男性ランナー)。

前出の男性ランナーは、今回のように「立ちション」で済ませる人を見たことがあると話す。
「ごく少数ではありますが、以前からやる人はやっていた印象です。今回は集団心理が働いて、『あの人、あそこで立ちションしてる。じゃあ、俺もやっちゃおう』という人が続いてしまったのではないでしょうか」(前出・男性ランナー)。

今回の動画では「立ちション」に注目が集まったが、スタート地点でウェアやビニール袋などを投げ捨てる「ポイ捨て」も極めて悪質である。会場付近に住む地元住民は、怒りをにじませる。
「この辺りは、普段はほとんどゴミも落ちていません。でも、大会の後はいつもウェアや飲み終えたペットボトル、紙コップなどのゴミだらけ。以前からポイ捨ては多かったのですが、ここ数年特にひどい印象です」(地元住民)。
3月中旬、問題となったスタート地点付近に足を運んだ。時折、たばこの吸殻などはあるものの、ほとんどゴミは落ちていない。

大会の度に自分が住んでいる場所を汚されては、怒るのも無理ないだろう。
「立ちション」と「ポイ捨て」に関して、運営側はどのような対策を取っていくのだろうか。東京マラソン財団に問い合わせた。
まず、トイレ問題に関して、今大会ではスタート地点に650基の仮設トイレを作ったという。「スタート650基、コース上397基、マラソンフィニッシュ67基と計1,114基設置し、常設のトイレもご案内しています。また、事前の参加案内にも『トイレ以外のところで用を足すことは禁止です』と記載しております」(東京マラソン財団)。

対策は講じているが、参加ランナーの数を考えるとまだトイレの数が足りないようだ。とはいえ、「禁止」と案内されているにも関わらず、今回のような行為に及んだランナー側に問題があるのは明らかである。
「ポイ捨て」対策のため、今後、ゴミ箱やウェアボックスの数は増やすか尋ねたところ、「設置場所含めて設置数について検討してまいります。また、ゴミを出さない工夫をしてもらうよう、参加のしかた等を呼びかけてまいります」(前出・東京マラソン財団)とのことだった。
一連の件を総括して、「今後の運営上、優先順位の高い事項として捉えております。このようなことがないよう対策を検討し、注意喚起および対応を徹底してまいります」(前出・東京マラソン財団)という回答を寄せていた。
運営側も改善に向けて動いていくことと思うが、ランナー一人一人が定められたルールやマナーをきちんと守ることを徹底してほしい。
(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人)