品評会初出品で2銘柄が金賞に!J2山形コラボ商品も「蔵王ブルワリー」…みちのく地ビール巡り

国内最大級の地ビール品評会である「ジャパン・グレートビア・アワーズ2023」(2月、日本地ビール協会主催)で、初の出品ながら2銘柄で最高評価の金賞、さらに2銘柄で銀、1銘柄で銅を受賞したのが、山形県山形市蔵王の「蔵王ブルワリー」だ。
栄えある金賞を獲得したのは「山形サクランボエール」と「蔵王クラシックIPA」。山形サクランボエールは、山形県産サクランボ「佐藤錦」の果汁を使用しており、のどごしもスッキリ。フルーティーな味わいだ。IPAはホップを通常の2倍ほど使い、しっかりとした苦みと芳醇(ほうじゅん)な香りで深いコクも味わえる。
同ブルワリーは、海谷康裕社長(40)が「地元である蔵王を盛り上げたい」という思いで、昨年3月に醸造所兼レストランとして開業。中学時代の同級生である坂本陽介さん(40)が醸造責任者を務める。坂本さんは未経験ながら栃木や新潟での修業を経て、ほぼ一人で醸造を行っている。醸造工程や新商品の開発はもちろんだが、醸造設備を常に清潔に保つことにも気を配っている。
今年で開業から1年を迎える。昨年に予定していた年間生産量の約2万5000リットルは、1月までに売り切れるなど評判も上々。J2モンテディオ山形と共同開発した「山ノ神ラガー」と「山ノ神IPA」を、19日の町田とのホーム開幕戦(NDスタ、午後2時開始)から発売することが決まった。また、本拠地での全試合で発売される予定。山形の相田健太郎社長(48)が「どんな料理にも合うと思います」と太鼓判を押すほどのできばえだ。

山形県産のリンゴ果汁が使用された山ノ神ラガーを飲むと、酒に弱い記者がグビグビあおってしまうほど飲みやすく、鼻腔(びくう)から抜ける果実の香りも良かった。その後に飲んだ山ノ神IPAの確かな苦みとコクにも感動した。どちらも、是非味わってもらいたい。(高橋 宏磁)
◆蔵王ブルワリー 蔵王の湧き水を使用し、麦芽やホップの味わいを生かすことを意識。蔵王の松と杜をイメージした「松の杜エール」や樹氷をイメージした「スノーモンスター」なども製造している。住所は山形県山形市蔵王上野字南坂1096―18 JR茂吉記念館前駅から徒歩約32分。