福島第一原発事故における、新潟県の3つの検証のうち、健康分科会の報告書が花角知事に提出されました。これで全ての報告書が出揃いましたが、これをまとめる総括委員会の開催めどは立っていません。
3月24日、花角知事に提出されたのは、県の3つの検証委員会の一つ、「健康分科会」の報告書です。
約5年間にわたって、原発事故による健康への影響を検証してきた健康分科会。
3つの検証をめぐっては、健康分科会以外は報告書を提出していて、これで全て出揃ったことになります。
【健康分科会 鈴木宏 座長】
「国が安全神話とか想定外ということがあって、初期活動のところが遅れてしまったということが、ずっと尾を引いているということが最大の問題だったと思う」
報告書では、事故の発生時に被ばく線量の測定などの対応が遅れたことを指摘。また、健康へのリスクを低減するための避難方法についても言及しています。
【花角知事】
「お願いしていた検証の最後になったので、原子力とどういうふうに向き合っていくかというところの議論を生かしていきたい」
一方、3つの検証を取りまとめる総括委員会は、池内委員長と県の間で方向性をめぐって意見が一致せず、開催のめどが立っていません。
【健康分科会 鈴木宏 座長】
「なぜ、やらないんですかと。総括委員会・全体の委員会をちゃんとやって、色々、穴を埋めていく。融合しながらやっていくということ、これは鉄則だと思う」
県の幹部は、28日にも池内委員長と面会し、方向性への理解を求める方針です。