去年の高温少雨の影響で大規模な塩害が発生した新潟市北区では9月24日、稲や土壌の検査が行われました。果たして今年のコメの出来はどうだったのでしょうか。
【記者リポート】
「新潟市北区、去年大規模な塩害があった田んぼです。その面影はなく、今年は光り輝く黄金色の稲が実りました」
24日、新潟市北区のほ場で行われたコメの検査。
【新潟大学 三ツ井敏明 特任教授】
「ほとんど問題ないような感じに育っている」
当たり前だと思っていた光景に異変が生じたのは去年のことでした。
【記者リポート】
「川岸の方を見てみますと、あたり一面茶色く、収穫前とは思えない田んぼとなっています」
【コメ農家 五十嵐作雄さん】
「(他の農家と)“水がなんか変だな”と言ってなめたら、ものすごくしょっぱかった」
去年、夏の高温少雨により阿賀野川の流量が下がり海水が逆流。農業用水に海水が混ざったことで稲が枯れてしまったのです。そこで今年5月…
【新潟大学 三ツ井敏明 特任教授】
「私たちが開発している耐塩性品種の能力を見ようと、田植えを行った」
土壌の塩分濃度に不安が残る中、塩害にも強いとされる品種の苗を植えることに。そして9月24日…
【新潟大学 三ツ井敏明 特任教授】
「実の付き方も中の種もしっかりとできている」
今年は気温が上がりすぎず、雨量が十分確保できたことで、粒の大きさや色づきに問題なく稲が実りました。
また、不安が残っていた土壌の塩分濃度は、場所によって高いところはあるものの、去年より濃度は低下し、稲の生育には問題ない数値に戻ったということです。
気になるのはコメに含まれる塩分の濃度ですが…
【新潟大学 三ツ井敏明 特任教授】
「測定してみないと分からないが、それほどではないのかなと思っている。稲は正直なので、しっかりと、これくらいの塩分濃度なら全然問題ないと言ってくれているような気がする」
塩害による大きな被害を受けた田んぼが以前の光景を取り戻しつつあります。