9月27日の投開票までいよいよ残すところ数日となった自民党総裁選。9名の候補者たちも、討論会などで熱弁をふるい、ラストスパートをかけている。
裏金問題で派閥が事実上ほぼなくなったことにより史上最多の9名が立候補し、内閣総理大臣を選ぶ日本の今後を左右するゆえに、かつてないほど高い注目が集まっている。
自民党党員以外の国民には投票資格はないものの、誰が総理の座に座るのかを多くの人が気にしていることだろう。各候補も総理になった後を見据え、メディアやSNS上で“マニュフェスト”を掲げており、世代によって総理に求めるものも千差万別。そこで今回は世代別にアンケートを実施。本稿では18歳から20代の男女500人を対象に、「総裁になってほしい候補」の調査結果を紹介する。
まず、3位に選ばれたのは石破茂元幹事長(67)。これまで4度立候補するも毎度落選し、“5度目の正直”をかけ、連日猛アピールをしている。
石破氏の“強み”といえば、高い世論からの支持だ。各メディアが行う“総理になってほしい人”調査では毎回のように上位に食い込み、9月21日に社会調査研究センターが行った全国世論調査でも、1位に選ばれるなど人気ぶりは健在。
その要因として、かねて党内での不祥事や問題に対して、内部から舌鋒鋭く批判することで知られ、今回も“脱派閥の徹底”を強く訴えている。こうした自民党に属しながら、臆せず身内に対しても手厳しい指摘を行う姿勢に希望を抱く人が多いようだ。
「自民党の中で一番マシな方だと思う」(28歳・男性)「自民党の中で一番まともに見えるから」(23歳・男性)「まだ信頼できる気がするから。そもそも自民党はあまり信頼していないが」(29歳・女性)「五度目の挑戦で経験と熱意がある」(29歳・女性)
続いて、2位に選ばれたのは高市早苗経済安全保障相(63)。21年の総裁選では、安倍晋三元首相(享年67)が支持を表明するなど“保守のプリンセス”として知られ、党内きってのタカ派だ。
政治家になる前にテレビ朝日などでキャスターを務めた経験から話術に長け、自身も勉強会を積極的に開催していることなどから、“総理の資質”を備えていると見る声が。
「国防から経済政策まで幅広く精通していて、安心感がある」(22歳・男性)「リーダーシップがあり国を引っ張ってくれそうだから」(18歳・女性)
さらに、当選すれば日本の県政史上初となる、女性総理が誕生することとなるため、そこへの期待感を抱く人も多いようだ。
「女性社会になってほしいから」(21歳・男性)「女性初の総裁になって日本を変えて欲しい」(18歳・女性)
そんな2人を抑えて、圧倒的な得票数で1位に選ばれたのは小泉進次郎元環境相(43)。父である小泉純一郎元首相(83)からの後継指名を受け、09年の衆院選で28歳にして初当選。11年に自民党青年局長、13年に内閣府大臣政務官など歴任し、19年には環境相として、男性で戦後最年少の入閣を果たした。
トントン拍子で出世を遂げ、在任時には絶大な支持率を獲得していた父同様に、“イメージの良さ”から支持する声が続出した。
「アクティブさかつ抜群な人気を誇るとならば、活気をもたらしてくれそうだからです」(26歳・女性)「親が総理大臣だし、人柄がいいから。人柄だけでは総理は任せられないという言葉もあると思うが、人柄は大事だと思う。この人にならついていこうかなと思えるのが大事」(23歳・女性)「一番信頼できるお父さんからノウハウを受け継いでいそうだから。小泉純一郎元首相が良い人だったから」(26歳・男性)「若いしさわやか。実力があったお父さんの再来になってほしい」(24歳・女性)
また、9月6日の出馬会見でも、「選択的夫婦別姓」や「ライドシェア全面解禁」など公約を勢いよくぶち上げており、「出馬表明会見見てやってくれそうだなぁと感じたから」(24歳・男性)と期待を寄せる声も。
ただ、今回のアンケートの得票数ではトップとなった一方、支持する理由として、前述の“イメージ”をあげる声が多く、これまでの政治家としての具体的な実績をあげる声はほとんど見られなかった。
果たして“実績不足”の下馬評を覆し、「史上最年少総理」となるのか。果たして――。