ジャンボタニシと間違えて駆除してない? 写真に「よく見たら全然違う!」

繁殖力が強く、日本各地で問題となっている、淡水巻貝のジャンボタニシこと『スクミリンゴガイ』。
食用目的で輸入されたものが野生化し、稲などの水田作物に食害を与えているため、要注意の生物として駆除が進められています。
※この記事には巻貝の写真が含まれます。苦手な人はご注意ください。
ジャンボタニシという俗称から、あなたは『大きいタニシ』に、どんなイメージを抱いているでしょうか。
もしかしたら『大きいタニシ』のことをジャンボタニシだと勘違いして、「すべて駆除すべき」と思っていませんか。
実は、ジャンボタニシはタニシとは異なる種。在来のタニシは、藻類やプランクトンなどを食べるため、稲を食害しません。
福岡県柳川市にある『やながわ有明海水族館』の、前館長である亀井裕介(@kame___suke)さんは、勘違いを払しょくするため、ある画像をXに投稿しています。
「ジャンボタニシと間違えて、駆除されている場合もあります」
そんなコメントとともに、水田に生息する一般的なタニシと、ジャンボタニシの見分け方を投稿したのです!
稲を食害しないのは、オオタニシ、マルタニシ、ヒメタニシなど。貝の裏側を見ると、違いがよく分かるそうです。
貝の形や、触覚などの特徴に注目してみてください。
貝殻の口の部分と、貝殻が巻き始める部分に距離があり、ヘソの穴のような隙間『臍孔(さいこう)』が空いているジャンボタニシ。
触覚が長めなところや、軟体部にオレンジ色の部位がある点は、より分かりやすいですね。
ジャンボタニシと、ほかのタニシの違いについて初めて知った人は大勢いた様子。投稿はネット上で拡散され、感謝の声が寄せられました。
・写真を見ると、確かにオオタニシは紛らわしいかも。
・勘違いしていた。有益な情報を知れてよかった。
・よく見たら全然違う!別のタニシを駆除するところでした…。
・タニシに種類があることも、初めて知った。見境ない駆除はNG!
・名前も姿も、関係ないタニシに甚大な風評被害。見分け方が、もっと広まってほしい。
亀井さんによると、ジャンボタニシを見分けるのが不安な人から相談を受け付けるため、SNS上で呼びかけた際に「それくらい分かる!バカにするな!」といわれた経験があるとのこと。
しかし実際に、マルタニシをジャンボタニシと誤解して駆除していた農家などの事例を知っているそうです。
誤った判断で、関係のない生き物の命を取ることは避けたいもの。
ジャンボタニシの見分け方を、しっかりと覚えておきたいですね。
[文・構成/grape編集部]