「事務員が耐えられない状況に」“他人握りわさび乗せ”で実名拡散された学校が明かした被害

レーンを流れる寿司に、スプーンを手に持った人物が勝手にわさびを乗せるーー。今年1月下旬、「はま寿司」の利用客による迷惑行為を映した動画がSNSで拡散した。もとはInstagramのストーリーに投稿された動画で、「他人握りわさび乗せ」とのテキストが添えられていた。動画がTwitterに転載されると瞬く間に広まり、企業活動を脅かす問題として批判が相次いだ。
「はま寿司では1月上旬にも、“他人の注文を横取りして食べる”といった迷惑動画が出回ったばかりでした。“わさび乗せ”の被害に遭った店舗や地域は明かされていませんが、加害者側から利用した店舗に『謝罪をさせてほしい』といった電話があったそうです。ですが同社は申し出を拒否し、所轄の警察署に被害届を提出するなどの毅然とした対応を取りました」(全国紙記者)
「はま寿司」では2月に入ってからも、少年が卓上のガリを直接口に入れるといった“回転ずしテロ”が続いた。同社が対応に追われるなか、ネット上では他の迷惑行為と同様に“わさび乗せ”の犯人も特定する動きが広がっていた。
「“わさび乗せ”をした人物は、ある地方の男子高校生だという情報が出回りました。名前や年齢だけでなく、実在する高校名までもまとめサイトなどに掲載されました。ネット上での拡散を受けて、高校側は1月下旬に公式サイトを通じて声明を発表。ただ、当初は《本校の生徒ではありません》とコメントしていたのですが、2日後には《動画に映った人物は、本校の生徒ではありません》と修正。現在はコメント自体が削除されており、疑惑は払拭されていない状況です」(WEBメディア記者)

騒動から2カ月経ち、間もなく新学期が始まろうとしている。結局、加害者は拡散された高校の生徒ではなかったということだろうか?
本誌は3月29日、実名が拡散した高校に取材。対応した担当者によると、「この件については警察がまだ捜査中でして、ご回答することはできません」とのことだった。
一方で、公式サイトから声明を削除した理由について問うと、「事務員が耐えられないような状況になりましたので。警察にもそうした相談をして、『答えてはいけない』ということでホームページからも削除いたしました。警察の捜査が終わるまでは、こちらも一切お答えしないという方針です。ただ、動画に映っている人物は本校の生徒ではないことは事実です」と回答。
また、誹謗中傷などの電話がどれくらいあったか聞いてみると、「(迷惑動画で炎上した)他の学校も同じだと思いますが、業務ができないほどの電話がありました。ホームページに声明を掲載したのは、こちらの業務ができなかったからなんです。ですが、それがかえって良くない方向に進んでいる部分もありますので。警察と相談した上で、削除することになりました」と教えてくれた。
学校までも追い込む迷惑行為の代償は、はかり知れないだろう。