将棋界は、藤井聡太六冠の活躍で盛り上がりが続いています。2023年3月、愛知県から新たなプロ棋士が誕生しました。藤井六冠とも同じリーグで戦い、気が付けば25歳に。大学院を休学して将棋に専念し、見事プロ入りとなりました。柵木幹太新四段:「(プロに)上がるんだったらスーツ着てくれば良かったなと後悔していますけど、奨励会ずっとコレで将棋指していたので、このままでいいです」 そう話すのは、愛知県西尾市出身の柵木幹太(ませぎかんた)さん、25歳。3月11日、将棋のプロ棋士になるための最後の難関・三段リーグを突破し、見事プロ入りを決めました。
柵木幹太新四段:「ゆくゆくはタイトルを取れるような棋士になりたいと思っていまして、そうなれるように少しずつもっともっと強くなっていけたらなと思っています」 5歳の時に父親から将棋を教わり、数か月後には師匠となる増田裕司六段に出会いました。
地元の将棋大会で腕を磨き2009年、小学6年生の時にプロ棋士の養成機関・奨励会に入会しました。
将棋のプロ棋士になれるのは、奨励会に入ってもたった2割。そんな中、柵木さんは名古屋大学に進学。名古屋市中村区にある祖父の家に暮らしながら、将棋と学業を両立させていました。柵木幹太新四段:「(将棋ソフトを)使わないとやられるみたいなのはあるので、一応序盤の検討はしておかないと不利なので、しないといけない」 2016年には、プロの一歩手前・三段に昇段。
この時に同じ三段だったのが、当時中学二年の藤井聡太さん。29人で半年間のリーグ戦を戦い、藤井さんはトップの成績で史上最年少でプロ入り。柵木さんは最下位でした。
柵木幹太新四段:「結果は一位(藤井三段)と一番下(自分)という事になってしまって。4勝14敗はさすがにヤバイなと思いました」 大学院に進学するも、将棋に専念するため休学。同じ三段だった藤井さんは、瞬く間にスーパースターに。
あとわずかの成績でプロに上がれない時もあり、気付けば三段になって7年。リーグの長老になっていました。
柵木幹太新四段:「同期もいなくなって、ついに私だけになってしまったと。ちょっと恥ずかしいなと思いました。早く(プロに)上がらないといけないなと」 迎えた14度目の三段リーグ。柵木さんは41人中3位の成績で、見事に四段昇段・プロ入りを果たしました。
柵木幹太新四段:「確か1級から2級に1回落ちているんですけど、すごくその時つらかった記憶があるんですけど、その時のことがあまり思い出せないぐらい三段の方がつらかった。最初は母に電話しました。『良かったね』って言ってもらえて、自分からは言葉が出なかったです。目標とする棋士は豊島先生で、自分の中で理想的な感じなので、少しでも近づいていけたらなと思います」 25歳、苦労が実った柵木幹太新四段。快進撃はこれからです。