就寝中に殴る蹴る、緊縛連れ去り 市川の住宅荒らし経過まとめ 不明住人女性を埼玉の宿泊施設で保護、重傷 監禁容疑で男逮捕 首都圏強盗グループか

市川市柏井町の住宅が荒らされた事件で、千葉県警は17日夜、住人のうち所在不明だった50代の女性を埼玉県内で保護し、この女性を監禁した疑いで住所・職業不詳の藤井柊容疑者(26)を現行犯逮捕した。女性は同住宅で就寝中に突然、複数の男らに殴る蹴るの暴行を受け、全身を粘着テープのようなもので縛られて車で連れ去られたとみられることが千葉県警への取材で判明。女性は大けがを負った。手荒い手口が浮き彫りになった。県警は他にも関わった人物が複数いるとみて捜査。首都圏連続強盗事件との接点も浮かび上がった。
女性の母親が、16日からの夜勤後に帰宅した17日午前7時ごろに「荒らされている」と110番通報して判明した市川の事件。窓ガラスが割られ、現金がなくなり、母親と2人で暮らす女性と連絡が取れなくなっていた。室内に血痕が見つかり、住宅にあったはずの車が消えたことなどから、県警は女性が連れ去られ、車も奪われた可能性があるとみて慎重に捜査していた。
県警は防犯カメラ映像などから、車を追跡。容疑者らの潜伏先とみられる場所を特定した。通報から約15時間がたとうとしていた17日午後9時45分ごろ、埼玉県川越市内の宿泊施設で女性を保護。一緒にいた藤井容疑者を現行犯逮捕した。
女性は顔を含む全身に打撲を負い、病院に搬送された。保護時に会話はできる状態だった。住宅から全身を縛られたまま車に乗せられ、宿泊施設に連行されて部屋に入室後も縛られていたという。
千葉県警は、容疑者と女性が部屋から出てきたところで容疑者を確保し、同時に女性を保護。女性は「部屋を出ることになり、テープを外された」と話しているという。女性が保護された際、奪われたとみられる車は見つからなかったという。
県警は捜査に支障があるとして、藤井容疑者の認否を明らかにしていない。容疑者は17日午後11時55分ごろ、捜査車両で市川署に移送された。捜査員に挟まれた状態で後ろ側に座り、終始うつむいた様子だった。
県警は当初、住居侵入・窃盗事件として捜査。強盗致傷容疑への切り替えを視野に全容解明を進める。
16日未明に白井市で起きた住宅押し入り強盗致傷事件でも、就寝中の住人がたたかれたり、縛られたりして脅され、複数の人物が現金と車を奪って逃げた。9日に判明した船橋市の住宅での強盗致傷事件も複数犯が住人を襲って逃走した。