陸奥湾でナマコ密漁の疑い 組員ら6人逮捕/青森県警久慈圭祐容疑者

むつ市川内町の陸奥湾で、ナマコを組織的に密漁したとして、青森県警組織犯罪対策課やむつ署、青森署などは22日までに、
漁業法違反(漁業権の侵害)の疑いで、函館市鍛治1丁目、同市所在の指定暴力団六代目山口組系3次団体の組員、畑田武容疑者(25)や
青森市柳川2丁目、無職久慈圭祐容疑者(29)ら6人を逮捕した。
1年以上前から犯行に及んでいた可能性が高く、被害総額は2億円以上に上るとみられる。
県警はさらに共犯者がおり、密漁が複数回にわたって組織的に行われ、利益の多くが暴力団の資金源になったとみて、
事件の背後関係などを調べている。

 逮捕されたのは畑田、久慈両容疑者のほか、函館市湯川町1丁目、山口組系組員高橋紘(26)、
同市湯川町1丁目、無職奈良勝(27)、同市東山町、無職大谷浩志(48)、同市山の手2丁目、無職紙谷聡(44)の4容疑者。

 逮捕容疑は、6人は漁業権を有していないにもかかわらず、共謀の上、
10月4日午後7時20分ごろから同11時ごろまでの間、むつ市川内町の沖合約100メートルの陸奥湾内で、
ナマコ約960キロ(卸相場価格約288万円)を密漁した疑い。

 同課によると、県警は今年5月ごろ、同湾で密漁を行っているグループがいるという情報を入手。
その後、捜査を進めて5日に2容疑者を逮捕し、県内から逃走したほかの4容疑者は16、17の両日に潜伏先の北海道で身柄を確保した。

 容疑者らの供述やフェリーの乗船記録などを元に調べた結果、昨年9月ごろから密漁を行っていたとみられ、
ナマコはフェリーで北海道に運んで売却していたという。
取り調べに対し、「以前は北海道でも(密漁を)やっていた」と話している容疑者もおり、県警は被害の実態解明などを進める方針だ。