物価の上昇に対して賃金の上昇が追いつかず、家計の負担が増え続ける中、選挙戦では各党が賃上げの声をあげています。ポイントは、最低賃金1500円。名古屋の街の人はどんな受け止め方をしているのでしょうか?
10月から上がった最低賃金 街の皆さんの“実感”は?「時給上…の画像はこちら >>
【Q:10月から最低賃金が上がりましたが、給料は変わりましたか?】(40代・パート)「50円上がりました。1080円になりました。扶養の枠が上がらないので意味がない」(20代・大学生)「三重県は1000円を超えました。980円から1020円くらいに上がりました。うれしいです!1000円超えるのと超えないのでは、めっちゃ大きいので」「(時給が)上がる前は1020円くらいで、1080円とか…。時給が増えると一日で稼げるお金が増えるので、それはうれしいかなと思います」(10代・高校生)「もともと1032円。(最低賃金)1027円の5円上で働いていたのが1082円になったから。50円上がっただけでも、たくさんシフトに入っているから給料がめっちゃ上がって、めっちゃうれしい」(60代・パート)「今は1080円。時給そのものとしては、周りの物価の方がどんどん上がっているから、あんまり反映されたとは思わない」
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名古屋駅近くの焼肉店「福」、最低賃金の引き上げについて店長は。(焼肉 福 吉岡悠馬 店長)「10月1日から全体で時給を50円ずつ上げた」店は市内に2店舗あり、合わせて37人のアルバイトを雇っています。平日は1日15人、土日はそれぞれ20人ほどが働いていて、時給は9月の1050円から10月は1100円に引き上げました。
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(焼肉 福 吉岡悠馬 店長)「たった50円かもしれないが、スタッフ一人一人給料が上がっていくので、月に10万~15万円ぐらい経費がかさんでしまう」さらに「年収の壁」の問題も…。
(大学生アルバイト)「『103万円の壁』があって。シフトの調整や働く時間を減らすことを考えながら働かなければならない。少しだけ苦しい」
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「103万円の壁」とは、学生や主婦など親や配偶者の扶養に入りながら働く人にとって、所得税の支払いが生じるボーダーラインのこと。さらに年収130万円を超えると扶養から外れます。このため、手取り額が減らないように労働時間を抑える人が出てきて、結局働き手が減るという心配が…。(焼肉 福 吉岡悠馬 店長)「スタッフのモチベーションを考えても(最低賃金が)上がることはいいこと。その分、接客レベルも上がっているが(経営的には)少し苦しい」
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円安による食材費の高騰も追い打ちをかけていて、店では10月から一部のメニューで値上げせざるを得ませんでした。(焼肉 福 吉岡悠馬 店長:10月4日取材)「仕入れ値が約8%~10%上がっている。徐々に上がり続けている。特に輸入のタンやハラミ」
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「厚切りタン」は200円値上げして1780円に「ハラミ」は100円の値上げで1480円に。メニューの3割ほどが約10%の値上げとなりました。アメリカ産をはじめとした輸入牛肉の原価は、4年前から平均で1.7倍にまで上昇しているとのこと。(焼肉 福 吉岡悠馬 店長)「このまま苦しい状況が続くようだったら(さらなる)メニューの値上げも検討している」
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1500万人にのぼるとみられる国内のパートやアルバイト。小売りや飲食店は最低賃金ギリギリで働く労働者が多く、急速な賃上げで平均的なスーパーは赤字になると警鐘をならす専門家も…。(UBS証券 風早隆弘シニアアナリスト)「低い賃金の方を大量に雇って、店舗を運営することによって存在していた店は立ち行かなくなる」
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名古屋市内のスーパーで聞くと…(サンエース春岡店 宮下裕基さん)「もちろん皆さんの時給が上がることは素晴らしいことですが、会社の経営側からすると、少し恐れることがあるというのが本音。賃上げもそうですがインフレやデフレ脱却など、物価が高くなっても対応できる世の中をつくることを政府には並行してやってほしい」最低賃金引き上げで広がる波紋。この衆院選を経て、明るい兆しは見えてくるのでしょうか?