巨額買収で会計士側問題処理役、元組員を逮捕藤島義秀容疑者

総合人材サービス会社旧グッドウィル・グループ(GWG)による人材派遣会社買収に絡み、公認会計士(51)らに約380億円が流れていた問題で、会計士側のグループ企業関係者で元暴力団組員の男が、恐喝未遂の疑いで警視庁に逮捕されていたことがわかった。

 会計士らは巨額資金を上場企業などへの投融資に使っていたが、株の所有権などを巡るトラブルが相次いでいた。同庁は元組員と会計士らとの関係について調べている。

 逮捕されたのは、元山口組系暴力団組員藤島義秀容疑者(53)。2008年秋ごろから、会計士がオーナーを務めるファンド運営会社「コリンシアンパートナーズ」(東京都港区)の100%子会社「CCS」(同)の渉外担当社員の名刺を持って活動していた。

 捜査関係者によると、藤島容疑者は08年12月、都内の会社役員に対し、「自分は組織の執行部にいた。案件処理のため除籍になっており、親分も承知している」「CCSの口座に金を振り込んでくれ。言うことを聞かないと死人が出る」などと数回にわたり恐喝、7000万円や東証2部に上場していた経営コンサルタント会社の株券を脅し取ろうとした疑い。藤島容疑者は「脅迫的な言動はしていない」と否認しているという。