イオン宅配「1時間単位」で 新サービス「グリーンビーンズ」今夏から AI活用、5万品目を仕分け 誉田の次世代倉庫始動

イオン(千葉市美浜区)は7日までに、オンラインで注文した食料品や日用品を1時間単位で各家庭に配送する新サービスを今夏開始すると発表した。千葉市緑区誉田町に建設したイオン初の自動大型倉庫を拠点に、最先端AI(人工知能)やロボットが約5万品目の商品を仕分ける。仕事や子育てなどで多忙な世帯の利用を想定。県内はまず7市が対象で、順次配送エリアを拡大する。
イオンによると、新サービスの名称は「グリーンビーンズ」。専用アプリやパソコンで注文し、約5万点の商品を取り扱うネットスーパー。前日までに注文すれば午前7時から午後11時までに1時間単位で配送枠を指定でき、多忙な家庭でも帰宅時間に合わせて柔軟に受け取れる仕組みとした。
千葉市緑区誉田町の自動大型倉庫「誉田顧客フルフィルメントセンター(CFC)」では24時間稼働のロボットが注文を受けた商品をピックアップし、ネットスーパーの10倍以上となるスピードを実現。併せてAIが売上予測や在庫管理を行い、欠品を防ぐ。誉田CFCは工業団地「ネクストコア千葉誉田」内で地上3階建て、敷地面積は7万2634平方メートル。
現在は各店舗から商品を届けるネットスーパーを展開しているが、取扱商品が2万~3万品目程度に限られるといった課題があった。新サービスでは過去の購入履歴に基づいた商品をAIが提案し、注文にかかる時間も短縮できる。買い物の回数を重ねるほど、予測精度が向上する。

イオンは2019年11月に英国のネットスーパー「オカド」と提携。21年から誉田CFCの建設を進め、サービスの開発に当たってきた。自動大型倉庫は東京都や埼玉県にも増やす計画で、イオンにおけるデジタルシフトの中核を担うプロジェクトという。配送ドライバーは自社で確保し、デジタル化による効率的なルート設定などを行う。
開始時点の配送エリアは県内7市(千葉市、習志野市、船橋市、市川市、浦安市、八千代市、四街道市)と東京都、神奈川県の一部地域。5月31日まで、公式ホームページで3千円割引きとなる事前登録を受け付けている。