19歳男性が胸の激痛を経て肺を手術 じつは13歳から電子タバコを…

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加熱式の電子タバコによる健康被害の実態については、さまざまな意見がある。
「成分は食品にも使用されている添加物。ニコチンやタールが使用されていないから人体への悪影響はあまりない」と主張する人もいるが、加熱して肺の奥に吸い込んでも安全なのかは不明だという。
そんななかアメリカで、肺疾患を発症した19歳の男性が「僕みたいにならないよう気を付けて」と呼びかけ、電子タバコの愛用者に波紋を広げている。『Mirror』『NEW YORK POST』など英米の複数のメディアが報じた。
自身の健康状態についてメディアに明かし、電子タバコの愛用者に注意喚起を行ったのは、アメリカ・ウェストバージニア州在住のドレイヴン・ハットフィールドさん(19)だ。
「安全なタバコ」という認識で13 歳のときから電子タバコを使い始めたが、2021年10月、17 歳のときに胸から脇腹にかけて引き裂かれるような激痛を経験し、病院に担ぎ込まれた。医師がドレイヴンさんに下した診断名は「気胸」だったという。
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気胸とは、肺にできた肺嚢胞(ブラ)から空気が漏れ出して肺がしぼむ肺虚脱という状態になり、胸の痛み、咳や息切れなどが生じる病気。ドレイヴンさんは胸腔ドレナージのチューブを挿入した状態で、1週間入院した。

激痛発作を3回経験したところで「肺嚢胞ができる原因のひとつにタバコが挙げられる」と知らされ、ドレイヴンさんは電子タバコを完全にやめた。だが、大学の授業中に4回目の激痛発作に襲われた。気胸はいつ症状が起きるか予測がつかないという。
「30年間喫煙していた人と同じような肺。一旦ダメージを受けた肺は元には戻せない」と医師は説明。もはや胸腔ドレナージでの対応を繰り返すより、ブラを切除する手術を受けるべきだとドレイヴンさんに告げた。
手術は成功したが現在も病院での観察が続いており、胸にもまだ痛みが残っている。5~10%の患者では新しいブラができることもあるとわかり、ドレイヴンさんの気分は重い。
ドレイヴンさんは今、電子タバコをやめてニコチンガムに切り替えるよう人々に勧めている。
アメリカの若者の間では電子タバコがトレンドだといい、健康被害について知らない人も多いことから「僕のようにならないよう注意して」とメディアを通じて呼びかけている。
電子タバコの愛用者では、胸部単純X線写真で肺に浸潤影が見られたり、肺CTですりガラス陰影が見られたりすることがあるほか、気胸のリスクも高くなるそうだ。
アメリカでは、重い肺疾患を発症した例も多数報告されている。電子タバコは「従来の紙巻きタバコに比べれば有害成分が少ない」というだけで、無害、安全という表現は誤りだ。
有害性が指摘されている物質ばかりか発がん性物質も含まれており、呼出煙中のニッケルやクロムなどの重金属濃度は、むしろ紙巻きタバコより高い。
そのため、周囲の人が電子タバコの煙を吸ってしまう受動喫煙の危険性についても、専門家の注目が集まっているという。