稲村和美氏「『対話と信頼』が必要」清水貴之氏「ワクワクした県に」…兵庫県知事選17日投開票

斎藤元彦前知事(47)の失職に伴う兵庫県知事選が17日に投開票される。各陣営は16日、最後のお願いに奔走した。立候補したのはいずれも無所属の7人で過去最多。知事失職につながったパワハラ疑惑告発文書問題や県政運営への評価が主な争点。元尼崎市長の新人・稲村和美氏(52)と再選を目指す斎藤氏が激しく競り合っている。15日までに期日前投票を済ませたのは77万3754人で、前回同時期の1・57倍となった。
斎藤氏の最後のお願いの直前、同じ三宮センター街の東口で稲村氏は「あまりヒートアップせず、冷静に各候補の言い分を聞いてほしい」と、「帰れ!」と罵声を浴びせる反稲村派らしき聴衆をたしなめた。
稲村陣営が「大接戦」と表現した選挙はネット、SNSでの情報戦も白熱。「想像もしていませんでした。『利権の権化』や『外国人参政権を推進するんちゃうか』とも言われた。私はそんな立場ではありません」と嘆いた。
ライバルについては「斎藤さんは悪い人だと言っているんじゃない。なぜ県政が停滞したのか。『分断と対立』ではなく『対話と信頼』が必要だ」と持論を展開した。
元朝日放送(ABC)アナウンサーで参院議員(2期11年)を辞して「ひょうご リスタート」を掲げた清水貴之氏(50)も同所でラスト演説し、「ネットは誹謗(ひぼう)中傷の嵐。陰謀論とか。こんな選挙、経験がない」。稲村氏と同様のため息を漏らしながら「アナウンサーもやっていたので、大好きな兵庫のいいニュースも伝えたい。刷新してワクワクした県に」と、流ちょうにスピーチした。
清水氏には古巣・維新の議員らのほか、親交のあるタレントのデヴィ夫人(84)も応援。「まっとうな候補者を知事に押し上げてください。清水さん以外いない。委ねましょう!」と、シンプルかつ力強い言葉で呼びかけた。
共産推薦の医師・大沢芳清氏(61)も同所で「本気のSDGsを」と“持続可能”の県政を掲げた。(筒井 政也)
◆兵庫県知事選
清水 貴之 50 無 新
稲村 和美 52 無 新
斎藤 元彦 47 無 前
大沢 芳清 61 無 新
福本 繁幸 58 無 新
立花 孝志 57 無 新
木島 洋嗣 49 無 新
【注】届け出順。年齢は投開票日