〝閉店騒動〟の人気ラーメン店が復活 千葉市の「千葉家」15日営業再開 「課題は残るが解決に向かっている」

3月に突如「閉店宣言」をしたのち無期限休業に入っていた千葉市若葉区の人気ラーメン店「千葉家」が4月15日から営業を再開するとツイッターで発表した。行列の絶えない繁盛店の〝閉店騒動〟に驚いたファンも多かったが、休業は長期化することなく、安堵(あんど)の声が広がった。店主の苅部由治さん(47)によると、労働環境について課題は残るものの、食券機の導入や正社員の拡充の見通しが立ったため、アルバイトの雇用を守るために再開するという。
1999年にオープンした同店は濃厚な豚骨スープが売りの「家系ラーメン」の千葉県内の走り。店主の苅部さんと妻・真由美さん(47)の二人三脚で営業を続け、長らく行列店として人気を博してきたが、3月23日に突如「閉店いたします」とツイッターで投稿。その後、ツイートは削除され、「休業する」との表現に変わったが、ファンから心配の声が相次いでいた。

営業再開を予告するツイート
営業再開を予告するツイート 真由美さんが運営するツイッターアカウントは今月12日、「ご心配をおかけし、大変申し訳ございません。千葉家は食券機になります。少しずつ変わっていきます。全て整うにはもう少しかかりそうです。まだ課題は残りますが解決に向かっておりますので営業を開始いたします」と投稿し、15日からの営業再開を発表。「本当に嬉しい」「世界一美味しいラーメンを食べに伺います」などとファンの間に歓喜の声が広がった。
同店によると、開店から23年間、ほぼ夫婦2人で店を切り盛りし、「1日16時間」の過酷な労働をこなしてきたが、近頃は真由美さんが体の不調を訴えるなど精神面・体力面で限界を感じ始めていた。そこで、労働環境の改善や将来の事業継続に向けた「新体制」の構築を目指して休業していた。

店舗シャッターに掲示された営業再開を伝える張り紙
店舗シャッターに掲示された営業再開を伝える張り紙 苅部さんによると、正社員募集に応募した20代男性に内定を出し、夏には働いてもらえる見通しになった。社員はもう1人雇いたい考えという。また、昼間のアルバイトも拡充し、約4週間後には食券機も導入されることに。店が考える「新体制」が十分に整うのは夏以降の見通しだが、方向性が固まってきたほか、繁忙時に手伝ってもらっているアルバイトの雇用を守るために再開を決めたという。
苅部さんは「大々的な構造改革が形になり、本格的な操業再開となるまでは半年はかかりそう」とし、それまでは体調面を考慮したり、新体制の準備のために不定期で休業するなどしながら、「ゆとり営業」を続けるとしている。