生徒に自分の「訃報記事」を書かせた教師 解雇処分に納得せず

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ここ10年ほど、アメリカで多発している銃乱射事件。小学生の低学年児童による事件もあり、銃社会の問題が浮き彫りになっているようだ。
そんななか、ある高校教師が行った「命の重要性についての授業」が是か非かと波紋を広げているという。アメリカの『NEW YORK POST』や『People』が報じている。
アメリカ・フロリダ州の『ドクター・フィリップス高校』で心理学を教えていた、教師歴15年のジェフェリー・キーンさん。
彼はある日、「自分の身を守る授業」と題し、生徒たちに自分が校内のトイレにいるとき、近くで銃乱射が起こったらどう行動するかと尋ねた。
さらに、「銃乱射はいつどこで発生するか分からない。巻き込まれたと想定し、新聞に載せる自身の訃報記事を書いてください」と出題したのだった。
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ただしその日は、教師たちの授業の質や指導力をチェックするため、指導教員が見回る日だった。キーンさんの授業の内容を知った指導教員は、即座に授業を中断させた。
大問題だとして校内でも取り上げ、教育委員会に持ち込まれる事態に発展したという。
緊急会議の結果、ジェフェリーさんには自らの意思で辞職するよう促す旨の通知が送られた。さもなければ、解雇処分が下る可能性もあると添えられたそうだ。

結局、ジェフェリーさんは勤務先の高校を解雇された。メディアの取材に対し「私は何も悪いことはしていないと思っています」と反論している。
また「銃乱射やテロが世界中で多発する近年、生徒たちに命の尊さについて考えてほしかった」「24時間後に死ぬとしたら、残りの時間をどう過ごすかを意識し、日々を大切に過ごしてほしいだけです」と説明。
生徒たちにストレスや恐怖を与えるつもりはなかったと話している。
キーンさんがその授業を考案したきっかけは、3月27日にテネシー州ナッシュヴィルの高校で起きた銃乱射事件。
卒業生であるオードリー・ヘイル容疑者(28)が銃3丁を持って校内に侵入し、児童3人と教師や校長を含む計6人の命を奪い、世間に衝撃を与えていた。
キーンさんは、教育委員会から解雇の理由を知らされていないという。「納得できる理由が示されれば私も頷けるのに」と悔しさを滲ませている。