クレーマー男は注文も購入もしていない唐揚げ店を訪れ、「唐揚げが入っていなかった」とイチャモンをつけ、商品代720円をだまし取ろうとしていた。
大阪市東住吉区の唐揚げ店で唐揚げを購入したようにみせかけ、代金を返金させようとしたとして、同区の無職、久寿居亨容疑者(59)が今月5日、詐欺未遂の疑いで府警東住吉署に逮捕された。
久寿居容疑者は今年7月、駒川商店街にある唐揚げ店を訪問。店頭に並べてあった「砂ずりの唐揚げ」を指さし、「昨日、コレを2つ買うたんやけど、2つとも入ってへんかった。商品代金返してくれ」と720円の返金を求めた。店員が「レシートはありますか」とたずねると、「ない」と答えたため、店側は「返金はできません」と拒否した。久寿居容疑者が「2つ買うた」というその日の防犯カメラには、久寿居容疑者が来店する姿は写っていなかった。
久寿居容疑者は9月にも同商店街の別の店で、店員に「テイクアウトで唐揚げを頼んだんやけど、6個とも入ってへんかった。返金してくれや」とクレームをつけた。この店の唐揚げは1パック6個入りだった。
この時もレシートがなかったため、店側は返金には応じず、「店に変なヤツが来てます」と110番した。
「署員が現場に駆け付けたが、要求した返金額が少額で未遂に終わったことから逮捕はせず、任意で捜査を続けることにした。そんな矢先、懲りもせず、また同じことをやりよったんや。これは身柄不拘束というわけにはいかんから、逮捕に踏み切った」(捜査事情通)
調べに対し、「これまで同じような手口を使い、数百回やった。出会い系サイトに課金するためにやった」と容疑を認めている。
駒川商店街は全長730メートルの通りに、10の商店会と200超の店舗が軒を連ねる大阪を代表する商店街。久寿居容疑者は商店街にあるほとんどの飲食店で同様のクレームを繰り返していた。
「店によっては『またややこしいのが来た』とか『もうかかわりたくないわ』という理由の他、『もしかしたら、そうやったんかな』と思い込んで金を渡したこともあった。何回かうまいこといったもんやから、味を占めたんやろうな。あんまりしつこくすると警察を呼ばれることが分かっとったから、失敗したら別の店に行っとった。以前から同様の犯行を重ね、たまに他の商店街に遠征に行ったりしとった」(捜査事情通)
買ってもいない唐揚げにケチをつけるとは、とんだクレーマーだ。