いろいろな外食チェーン店が提供している”朝用メニュー”を食べ比べてみる「モーニング」企画。ここ数年さまざまな飲食店でモーニングサービスを展開しているが、やっぱり定番は牛丼チェーンだ。今回は牛丼チェーン「吉野家」の「あったか朝定」を実食してきた。
○■超速で出てくる吉野家の朝定、ご飯の増量・おかわりが無料
牛丼チェーンの朝定が大好きだ。もっとも吉野家に関しては一時期、職安通りに面した新大久保の店舗で頻繁に「吉呑み」をしていたくらいだけど。今回は新鮮な気持ちで、吉野家で過ごす朝のひとときを堪能してみたい。
吉野家の朝メニューは大きく分けて「あったか朝定」と、小盛牛丼にみそ汁と選べる小鉢をセットになった「朝牛セット」の2種類。吉野家は一部の店舗を除いて、定食のご飯の増量・おかわり無料のサービスがあり、午前4時~午前11時に提供している朝定も、すべてご飯のおかわりや増量が無料・無制限としている点が最大のウリのよう。
今回訪れた『吉野家 蔵前橋通鳥越店』もそんなサービスを実施している店舗のひとつ。一汁三菜朝定メニューから「牛小鉢」「ハムエッグ」「生野菜サラダ」がセットで付いてくる「ハムエッグ牛小鉢定食」(536円)を注文した。
和食の基本である「一汁三菜」をテーマにした一汁三菜朝定は、437円、536円、635円という価格で各2種類の定食メニューを用意。ご飯とおみそ汁、朝定食の定番のおかず3品で構成され、栄養バランスが整った定食をそろえている。
吉野家に限らずだが、牛丼チェーンが提供する朝定のポイントは、なんと言っても忙しい朝でも手軽に素早く朝ごはんを済ませられることだろう。さまざまなお店がお得な価格設定の朝メニューを充実させているなかでもコスパが良く、メディアが最近使いがちな言葉で言えばタイパもいいというわけだ。
注文から1分ほど、お手洗いから戻ってきたら、おかずの小鉢が所狭しとのせられたお盆がすでに運ばれていて、カウンターに鎮座していた。”実家の朝メシ感”がすごい……!
○■思いのほか優雅に味わえた吉野家の朝
牛小鉢はまろやかな甘めのしょうゆダレで煮込んだ牛肉と玉ねぎの安定のおいしさ。牛小鉢は詰まるところ牛丼の具なので、ご飯との相性は抜群。ボリュームも朝としてはちょうど良い。
主菜のハムエッグは生すぎず、焼きすぎず。ちょうど良い焼き加減。私は少ししょうゆを使ったが、ハムの塩気だけでもおいしくいただける。ただ、卓上調味料はしょうゆしかないので「目玉焼きは塩こしょうやソースじゃないと絶対ダメ」みたいなこだわりがある人はご注意を。
今回は朝定の提供が終わる10分前、平日の朝10時50分という微妙な時間帯に駆け込んだこともあり、利用客は近くの会社で働いているらしい会社員が手ぶらで1~2人やってきた程度。
店舗や時間帯にもよるだろうが、それほど忙しい雰囲気もなく、思いのほか20分近く時間をかけてゆっくりと味わえた。とはいえファミレスのモーニングのように食後にゆっくり本を読んだり、パソコンを広げて仕事したりといった”朝活”は、さすがに難しい。やはり仕事前などにサクッと朝食を済ませる使い方がいいだろう。
吉野家の朝メニューには、牛丼とみそ汁に5種類から選べる小鉢が付いたセット「朝牛セット」のほか、3種類の「定番の朝定」もある。最安メニューはご飯とおみそ汁に「生野菜サラダ」「納豆」「牛小鉢」が付いた「納豆定食」(399円)で、そのほかにも1コインで済むメニューを充実させている。
価格高騰が騒がれるこのご時世に、この価格帯で栄養バランスの取れた満足度の高い朝食をしっかりとれるのはありがたい。
ちなみに単品オーダーだと牛小鉢は184円、生野菜サラダは151円、鮭は239円、納豆は118円。吉野家の朝定は栄養バランスや満足度を考えると、かなりお得感があるので、ぜひ一度試してみてほしい。
伊藤綾 いとうりょう 1988年生まれ道東出身、大学でミニコミ誌や商業誌のライターに。SPA! やサイゾー、キャリコネニュース、東洋経済オンラインなどでも執筆中。いろんな識者のお話をうかがったり、イベントにお邪魔したりするのが好き。毎月1日どこかで誰かと何かしら映画を観て飲む集会を開催 @tsuitachiii この著者の記事一覧はこちら